リンゴは果樹の中でも収穫できるようになるまでには長い年月がかかるといわれます。たとえで『桃栗3年、柿8年』といわれます。さらにその先があるそうで『梅はすいすい13年、ユズは大バカ18年、りんごニコニコ25年、女房の不作は60年、亭主の不作はこれまた一生』だそうです。
とにかく、リンゴの苗木を植えてそれが育って利益を結ぶだけの実をつけるようになってくれるまでには相当な年月が必要です。それを接木という方法で早めてしまおうという考えは非常に合理的といえますが、反面、木の寿命もまた短くしてしまうことにもなり、果樹にとってはうれしいこととはいえないのかもしれません。
松村さんに一年を通してどの作業がいちばん好きですか。という質問をしてみました。即座に答えが返ってきました。「冬に果樹の選定をしているとき」という答え。どうしてかたずねてみると。お客様を気にせず、マイペースでひとりで果樹の世話をしていられるから。だそうです。うーん、納得。それほどに木を扱う仕事がお好きなのだなと実感しました。収穫による恵みは、そんな松村さんの心に対する木々からのお返しなのかもしれません。
松村さん、これからもおいしいリンゴをお願いします。リンゴの木の下で頂いた各種のリンゴと五平餅とリンゴジュース、最高でした。どうもありがとう。
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矮性台木(わいせいだいぎ)
リンゴの木をさらに管理しやすい大きさで栽培したいという願いから、カイドウよりもっとコンパクトな樹勢の台木が求められました。それが英国の農業試験場で品種改良された台木用のリンゴです。これを『矮性台木』といいます。M系という台木が主流だそうですが、これでは挿木をしても発根しないためカイドウに接木をして、活着してからさらに目的の品種のリンゴを接木します。おかげでリンゴの大木というか、太い幹のものはほとんど見られません。 |