熟年トレッキングツアー体験記4
(2004.10.17〜18)


 戸隠高原 池めぐりハイキング

 今回で10回目を迎える熟年トレッキングツアーに今回も参加させていただいた.
 総勢30名の参加者を乗せたバスは,大垣インターから名神,東名,中央自動車道,長野自動車道を経て上信越自動車道の信濃町インターチェンジで高速を降りた.

 信濃町は小林一茶の生誕地で,黒姫駅前の通りは一茶通りと名付けられており,民家の庭に一茶の句碑が建てられていたりする.
 ここの信濃屋というお蕎麦屋さんで1日目の昼食となった.蕎麦処信州でもこの辺りは特に美味しい地域である.ツアーでは,1日目の午前中はバスでの移動に費やされてしまうので,昼食はお蕎麦くらいが丁度良い.

コースチャート
戸隠神社中社
徒歩5分
小鳥ヶ池
徒歩10分
硯石
徒歩40分
鏡池
徒歩45分
奥社前駐車場(約8500歩)

 食事の後,バスで戸隠高原へ登る.戸隠神社中社前でバスを降り,ここから鏡池を目指して歩く.すぐに小鳥ヶ池に出る.池の向こうには戸隠連峰を望むことができる.更に進むと,戸隠名物の竹細工に使う根曲竹を切り出している土地の人に出会う.根曲竹の葉は一見すると笹の葉に良く似ているが,笹の葉に見られる細かい毛が見られないのが特徴である.根のところが曲がっているのでこの名が付いている.
 少し登りぎみの道を歩くと硯石という,眺望が開ける
写真をクリックすると拡大します
場所に出る.硯石とは荒倉山の合戦で鬼女紅葉(もみじ)とともに戦い敗れた「おまん」が敗走してこの場所を通り,石に溜った水に自分の姿を映したと伝えられる石である.ここで暫しの休憩の後,目的地の鏡池目指して再び歩き始める.30分程歩くと,なんとしたことか渋滞の車の列に出くわす.実は鏡池まで自家用車で入る事ができるのだ.せっかく自然の中を歩いて来た身には,車の列はちょっと勘弁してほしいという気になってしまう.車の間を縫って鏡池に出ると戸隠連峰が目に飛び込んで来た.残念ながら,池にはさざ波が立っていて,文字どおりの「鏡池」とはなっていなかったが,もし風がなかったらどんなに美しい風景かは想像に難くなかった.池のまわりはカメラを三脚に固定してシャッターチャンスを待つ人,スケッチする人,芝生に寝転がる人.皆それぞれの秋を満喫しているいい光景である.
 鏡池からの帰路は戸隠森林植物園へ抜ける道を歩く.こちらの道は歩く人が多い.春には水芭蕉の群生が見られるところである.ここから戸隠神社奥社へも行く事ができるが,今回は時間がないので,森林植物園の中の木道を歩いて,奥社前の駐車場へ戻った.

戸隠村

戸隠村役場のオフィシャルホームページ.スキー場やキャンプ場のライブカメラの画像も見る事ができます.

戸隠村観光協会

戸隠の観光のポータルサイト.ネットからパンフレット・資料の請求もできます.

 1日目の全行程を終えて宿へ向かう,宿はこのトレッキングツアーの定宿となった感がある,あずまや高原ホテルである.このホテルは百名山の一つ四阿山の中腹,標高1500mの位置に佇む一軒宿である.ホテルに着いた時にはすっかり陽は落ちており,露天風呂から見る星空がとてもきれいだった.

あずまや高原ホテル

立ち寄り湯も可能な高原ホテル.客室からは浅間山を眺める事ができます.ホテルでのコンサートなどのイベントや体験ツアーなどの企画もあります.

 奥志賀高原 白樺苑路ハイキング

 翌朝,バスは鳥居峠を越えて万座ハイウェイを通り,草津白根山へ向かった.白根山のふもとの駐車場から大勢の人が蟻の行列のように火口を目指して歩いて行く.火口に近づくにつれて硫黄のにおいがきつくなってくるのがわかる.何となく温泉を連想させる匂いだ.火口には湯釜があり神秘的な青磁色の水をたたえていた.

コースチャート
白樺苑路入り口
徒歩25分
内回り・外回り分岐
徒歩25分(外回り経由)
白樺池
徒歩45分(内回り経由)
白樺苑路入り口(出口)
(約5500歩)

 白根山から志賀高原へ入る.車窓に映る紅葉が美しい.丸池のほとりにある丸池観光ホテルで昼食の後,いよいよ2日目のメインとなる奥志賀高原・白樺苑路ウォーキングである.

 奥志賀のペンション村でバスを降りる.志賀高原でバスが入れるのはこの辺りまでである.そのためここまでくる人は少なく,紅葉の季節でもひっそりと静まりかえっていた.
 白樺苑路 はこのペンション村の行き止まりから始まる全長約2kmのハイキングコースである.はじめは少し急な下り坂が続く.ところどころに沢が流れており,木橋がかけられている.橋の上は滑りやすいので足元に注意して歩く.熊よけのパイプの鐘が数ケ所に置かれていた.最近,熊の出没が全国的にニュースになっているので,用心に越した事はない,ここは鐘を叩いて通り過ぎる.10分程で内回りと外回りの分岐点に出る.どちらへ行っても白樺池に出る事ができる.今の季節,道には落葉の絨毯が続き,顔をあげると,辺りはシラカバ林がどこまでも続く,そして色付いたシラカバの葉の間からの木漏れ日…どれもが美しく優しく,そして神秘的である.まるで東山魁夷画伯の絵のような….
 分岐点から約25分で白樺池に着く.池のほとりが広場になっていて,ここで休憩する.小さな池であるが池の周りにはシラカバやダケカンバ,ミズナラなどが茂っている.
 白樺苑路は周回ルートになっているので.帰り道は別の道(内回り)を戻って来た.あまりの美しさに疲れは全く感じず,まさにベストシーズンに訪れる事ができたような気がする.

 志賀高原観光協会

 トレッキングツアーも10回目ともなると,コースを組むのにも苦労するところである.添乗員さんも大変だろうと思う.そこで,次回はバージョンアップして,世界遺産の白神山地をトレッキングするという計画もある.今から楽しみである.


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2004年 11月 1日 月曜日


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