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   upgraed 2019/5/3
  ■前回のページ        FE103Enスピーカーシステム      Upgrade-2         2017/2/3
                           □ トロイダルトランスにより高音アップ     
                         □ 100:16から100:40に,VAアップにより低音アップ 
                         □ L.C.Rフィルター回路によりf特フラット化アップ  
                         □ ユニット,ビスレス,マウントによりスタイルアップ
 

 
デザインコンセプト


前回の何気ないデザインを基軸とした。
ナチュラルサウンドファーストに適するフルレンジユニットでの、密閉型スピーカーシ
ステムの潜在能力に、グリーンオーラをまとうまでに進化したという、おこがましい設
定。

前回のBOXは再利用の改造に伴い、板が二重になっていた為、外観の割に内容積が少な
く、6.8リットルであったが、今回の2号機としては、板厚を約15mmとし、ワイド
を10mm広げたことで8.3リットル程を確保する。

前方寸法比が、見た目のバランスも良いとされる黄金比(約5:8)とした。

最高にいい音のするスピーカーは精悍なイメージなので、ビスや鉄プレスフレームを出
さず、バッフル面とユニットの段差を小さくした。

バッフルの表面はシナ4mm合板とし、三角に分割し、木目方向を変えてコントラスト
を狙う。
その薄い4mmの所に内側からユニットを設置するので、ビスレスを検討した結果、ス
プリングによって押さえるワンタッチ脱着式とした。
とは言っても、ビリ付きの影響で、周波数特性の10kHz当たりに山谷が増したので、パ
ッキンとして、5mm巾の両面粘着テープを貼ることとしたので、それなりの手間を要
する。

ユニット円周で強く固着したら離脱困難になる。紙リングを介することでユニットを無
理に引っ張らなくても良くなる。
また、BOXをコンと叩くとバネ鳴きのビーンという響きが聞こえるので、それも粘着テ
ープで制振した。

製作
当日に組み立てるつもりで、板材を入手しようとホームセンターを3件ほど回ったが需
要が無いためか、薄い板しかなく、15mmに貼り合わせたので苦労した。



     接着剤:木工白ボンド

接合は、クランプ等の工具が少ないので、手っ取り早い所で紙テープで位置決め。

2つ重ねて20Kgの肥料袋を3つ乗せた。
通常は立てられない物を、立てる人の技ほどは必要とせずできる。
ズレがでた所はミニハンマーで修正した。
中につっかい棒をして対角寸法を合わせておく。
接合部を紙テープで覆っておくことでスキがでにくい。

表はシナ合板にしてしまったが、研磨し過ぎで下地を出すことが無いように、5mm厚
位の無垢の板が良かった。

BOXを組み上げてから、小口の出っ張りなどをカンナで削り、くぼみなど瞬間接着剤と
切り粉で埋めてサンドペーパーで仕上げた。硬化剤スプレーをすれば数分後にも研磨で
きる。

塗装は乾燥後の状態が、何度もイマイチなため一週間かかった。
塗料はお手軽に、油性のラッカー缶スプレーで行ったが、最初はクリアーで下地を整え
た。
初試みとなるが、蛍光グリーンのスプレーを風上から、霧がかかる程度の下地が透き通
る位で着色した。色合い調整のため、ゴールド、濃いグリーンなども少々振りかけてあ
る。
缶スプレーが冷たいと粒子が大きくなるので、ぬるま湯で暖めて行った。

再度クリアーで程々に仕上げたが、もはや木質感のコントラストが消えかかっているの
で、着色方法を根本からやり直した方が良さそうである。
塗装に厳しい寒中が過ぎるまで、一端、このまま据え置きということになる。

スタンドの方は、作業台に鉛筆で実寸を描き、手鋸でカットした角材にボンドを付けて
実寸に合わせて置き、これも紙テープどめして、固着を待つ。
木ダボで補強を考えるが、穴開けと打ち込みのショックで取れても困るので、ちょっと
細いが竹棒で行った。
下穴に瞬間接着剤を流し込んで差し込むが、差し込む途中で固着しないように、ゆるめ
の下穴ににした。

  
BOX内部 バネは指で取り外し可能          計測 CLIO Pocket 
  
 BOX仕様 

 
 


センターキャップにもヒレを付けたが、これは良いキャップで不必要であった
     
   
 無論、差動接続トランスを含めてのバージョンアップを遂げる。

前回は、2次のタップ電圧16V :2A(32VA)であったが、兄のストックにアンプ製作
のために使われるはずのトロイダルトランス162VAが蹲(うずくま)っていたので、実
験した所、コアにギャップが無く漏れインダクタンスが少ない為か、高域が出やすい。
1次 115V×2、2次30V×2の30Vより、直列60Vでの方が低音レベルアップとなった。

高域でスピーカーインピーダンス上昇の逆起電力による電流は、ボイスコイルの動力に
なって歪み音を生じると考える。

スピーカー側から見た差動接続トランス回路のインピーダンスは、逆起電力が生じると
高くなり、回路の電流を抑えられる。

特に、ヒレ形成コーンの効果と相まって、ボーカルのサ行などの刺激音が十分減り、品
位が向上し、中々良い結果が得られた。

他に、EIコアのトランス100V:40V(80VA)も試して見た。トロイダルトランス60Vと
、低音レベルは等しくでき、1次100Vに対し2次電圧40V(2A)それ以上、タップの電
圧が高くても低音レベルアップが頭打ちとなる。

それと60Vのものは、メリハリがオーバーな音調気味でもあるので、115V:48V
(24V×2)100VAのトロイダルトランスをRSコンポーネンツ へ2個購入に踏み切った。

 RS品番 1176054
 メーカー/ブランド名 Scandinavian Transformer
 メーカー 型番 ST190544

これは程良い落ち着き感ではあったが、2kHz位の盛り上がりと10kHz前後の山も含めて
特性のフラット化を試みて下の完成回路図のようになった。

高域でスピーカーのインピーダンス上昇に対して、回路インピーダンスを下げる並列素
子を入れるとスピーカーの逆起電力を生じやすいと考えるので、L,C,R並列共振回路を
直列に入れた。

2つのコイル抵抗で、低域の解像度が鈍ってはいけないので、直流抵抗が小さそうな
フェライトドラムコアコイル,線径1.2φを選択した。

Rch:Lchユニットの10kHz辺のピーク位置が同様でなかったのでコンデンサー容量を左
右で少し変えて対応した。
このフィルター回路は、差動接続トランスの後では適正動作しにくいので手前で接続し
た。
1次115V×2を並列、2次24V×2 を直列48Vで1次に抵抗R1を入れ、入力インピーダ
ンスを調整した。
定格インピーダンス8Ω(R1:22Ω)に調整した時より、若干低めの7Ω(R1:15Ω)
位が微妙に低音の芯が太くなるようで好ましくなる。

1次に抵抗R1を入れずに直接では、定格インピーダンス5Ω程に下がり、音響出力は増
すはずであるが、低音の密度感は高いものの細身な感じとなる。  
回路BOX



 
 インピーダンス特性
 
                                            
   
 
       スピーカー軸上からマイクを下げるほど部屋の反射音の影響で200Hz以下が乱れる。

     自分の耳の感覚を優先しても、これで最良とした。

     兄の管球式アンプ18GV8でも特性が一致するのでマッチングの問題は無いようである。


     オーラの様相を呈するには今一の出来映えとなったが、音の方には十分なものがある。                  END

                      
       左:前回のBOX          中央18GV8アンプ 
 


 
令和  upgrade 2019/ 5/3


独自の吸音方法が定まりました。
その他、回路の改良を行いました。

ウエーブ振動板による吸音
フェルトなどの吸音材を少し張る程度でも効果的であるが、吸音材では求められない音質改善を期待する。
吸音材は低音に制動力がかかる割に、思うような吸音効果が難しい。
ナチュラルな低音のまま、定在波や反射音の影響を無くしたい。
それも、位相反転のために考えたウエーブ振動板によって、打開に転じることになったと言える。

面の振幅が、面がスライドする方向の縦振動に変換するので、空気を振動しにくい状態
の振動に変換できるので、リアルタイムの制動がなくても良い。
縦波で取り込まれた振動は、両側の固定端反射も縦波として、紙の内部損失で消化され
、低音低下に繋がる制動を、回避できる結果になったと思います。

湾曲面が緩やかなので、音波の入力で振動しやすいローレシオ(ギアで言う減速比大)
で変換されたスライド運動は、可逆的には湾曲面を振動させにくいハイレシオとなり、
振幅を与える抵抗が大きくなり、反射しにくいと考える。

2次元の面も横から見れば線方向の1次元で、糸電話の紙コップは三次元で、糸には一
次元に凝縮となるブラックホールの形態にも繋がるように思って、ウエーブ振動板に、
そのようなポテンシャルを感じようとすることは、やはり愚か者ということになる。

 

糸電話も縦波 糸電話の伝搬速度などHI-HO

音も縦波(縦粗密波)

  ウエーブ振動板の設置 
 
ウエーブ振動板の寸法:間口の1.95%増 電卓で274.5+1.95% (=279.85) 張りしろ11mmプラス (電卓によって操作が異なる:カシオ)
  ウエーブ振動板は縦設置で広い面積を確保し、前後位置を調整できる構造とした。
中間より1cm以上、前方へ近づけると低音の塊感がでるが、特性では低音低下傾向とな
る。
中間では、その影響が無く重心の定まりの良い自然で切れの良い低音が感じられる。
更に1cm後方でも箱鳴り成分的な感じはなく好ましいと言える。
 取り付けのサンはt5.5mmMDF、1mm程小さくしないと設置するに無理がある。
中央支持は1mm分の厚紙を挟んでビス留めした。

クラフト紙t0.25mm 紙目(流れ目)は長辺方向  支持部は0.18mm紙目は短辺方向。
分割振動損失ヒレは音質的にも不可欠なため4通り付けた。
 
回路の改良
作動接続トランスは、スピーカーのボイスコイルで生じる逆起電力による電流供給の低下を抑えてアンプの駆動力を活かす目的である。
また、低インピーダンス出力と高インピーダンス入力を繋ぐ反射電流防止回路としても音質改善が求められた。
コンデンサーはカットオフ域で充電、放電の伝送が生じ、放電に関しては反射電流としても考えられる。
そう言うことであれば、フラット化の為のフィルター回路をトランス手前では、その効力が活かされないと考え、トランス出力側に変更しました。

 
高域でインピーダンスが上昇するほどトランスの影響力を増すことで、共振回路2の適合がズレたので変更した。
前回の形態は窮屈なため調整しやすい形態に組み直したが、微妙な調整をしても気温変化などで意味がなくなるので、少し大ざっぱに調整してL-R同じとした。
コンデンサーに並列の50Ωを、更に大きくすると10KHz前後のレベルが下がり、高域が静かになるが女性ボーカルの高音のササクレがざわつく傾向になる。
この抵抗はコンデンサーの反射電流を緩和する効果もあるので、それには抵抗値を下げる設定が好ましい。


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