軌道自転車



 草刈りや灌木切りをして整備した線路を維持しなくてはなりません。線路を維持するためには何か乗り物の車両を走らせるのが一番です。しかし、上り線の線路は、遊歩道アプトの道で線路が舗装されてしまったため、横川側からモーターカーのような鉄道車両を乗り入れることが出来ません。運び入れることが可能と思われる車両としては、軌陸車、エンジン付きトロッコ、手漕ぎトロッコ、軌道自転車などが考えられます。この中で、最も費用が少なくて多くの人が楽しめるものは、軌道自転車であるという結論に達しました。

碓氷峠の廃線跡への軌道自転車の導入を過去に安中市議会で質問した議員さんが居ました。しかし、安中市サイド(当時の松井田支所長)の回答では、『軌道自転車を走らせるには線路の勾配が急であり、多くの区間をトンネルが占めているという状況の廃線敷で、不特定多数の観光客が利用するには線路やトンネル内の安全確保、勾配に対応する車両の保安設備など課題が多いと考えております。』との見解で没になりました。

碓氷峠の鉄路の66.7パーミルという勾配は、重厚長大な鉄道車両にとっては大変な傾斜ですが、軽量でゴムタイヤの自転車にとってはさほどの傾斜ではありません。
66.7パーミルは、20m進んで1m上がる傾斜です。車椅子のスロープの勾配は12分の1を超えないことと法律で定められています。12m進んで1mと言う傾斜ですので、66.7パーミルのほうが車椅子のスロープよりも緩やかになります。

当会では、草刈りが完了した線路を使用して、軌道自転車の走行試験を行い、碓氷線の勾配で軌道自転車が使用できるものかどうかを検証します。なお、走行試験は、上り線の1号トンネルより手前の区間で行い、安全性が未確認なトンネルには入りません。


軌道自転車は鉄道自転車とも呼ばれ、1800年代から実用化され主にレジャーに使用されていたようです。詳細は、こちらの資料をご覧下さい。