(2005.5.29〜31) |
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トレッキングツアーも11回目を迎え,初めての2泊3日,初めての飛行機と,初物づくしで,青森の白神山地を中心にトレッキングする予定で,2月に開港したばかりの真新しい中部国際空港(セントレア)からJAL3141便MD90で青森空港に向かった. 青森空港からは大型バスに乗り換え,添乗員さんいわく「暇つぶしの観光」の三内丸山遺跡で縄文時代の遺跡をボランティアのガイドさんの案内で見学する.もともとはサッカー場や陸上競技場を造る予定地だっただけに,広大な敷地に遺跡が点在し,タンポポの花も咲いて,ゆっくり腰をおろしたい誘惑に誘われた. |
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奥入瀬渓流ハイキング | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ホテル城ヶ倉での昼食の後 ,バスが八甲田山の麓にさしかかると,道路脇にバスの高さ程の雪が残り一面の銀世界であった.今年は雪解けが遅いとのことである.標高が少しづつ下がるにつれて,雪が少なくなり,奥入瀬川に着く頃には,周り一面は新緑につつまれていた. さて,ここからは1日目のメインである奥入瀬渓流のハイキングである.奥入瀬川の石ケ戸から銚子大滝までの約8km,ちょうど奥入瀬川を溯るかたちでのハイキングとなる.
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黒石こみせ通り | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
秋田県に入り,発荷峠で十和田湖を眺めながら休憩をする.ここは十和田湖を眺める展望所のうち最も優れているといわれ,正面は最高峰の御鼻部山に対し,その背後遥かに八甲田の山々を望み,眼下には,中山・御倉両半島を見る事ができる.売店では秋田名物のきりたんぽが売られており,バスの車内は香ばしい匂いに包まれた.休憩の後,再び青森県に戻り,黒石市へ向かう. 黒石市中町地区にあるこみせ通りは,藩政時代からの木造アーケードが約200mにわたって続く情緒あふれる町並みで,日本の道百選に選ばれている.豪雪地帯の住民の知恵が感じられ,昔,地理の教科書で見たような記憶がある.観光客相手の店は少なく,午後5時を過ぎていたので,ほとんどの店は閉まっており,歩く人もまばらで,それが,かえって,素朴さを感じさせてくれた.今度は冬に来てみたい所である. 黒石を後にして,今晩の宿のある大鰐温泉へ向かう.時刻も,予定より遅れているので,東北自動車道を黒石ICから大鰐弘前ICの1区間だけ利用して,大鰐温泉不二やホテルに到着する.夕食の時間まで30分しかないが,やっぱり,ひと風呂あびてからビール…とばかりに,速攻で源泉掛け流しの大浴場で一日の汗を洗い流す.大鰐温泉は青森県の内陸部に位置するため,食材は山の幸が中心である. |
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2日目は,今回のトレッキングツアーのメインでもある,世界遺産白神山地のトレッキングである.今年は雪解けが遅く,残念ながら暗門の滝までは行けないので,アクアグリーンビレッジANMONからブナ林散策道を2名のガイドさんの案内で歩く.散策歩道の入口で森林整備協力金を300円以上払うと,“森林整備環境協力者の証”がもらえるとともに,世界遺産の整備にひと役買っていると言う満足感も味わえる.
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ミニ白神 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2日目の昼食は岩木山麓の嶽温泉の山のホテルで名物マタギ料理を食べる.マタギ(又鬼)とは熊などを狩猟して生活した人々の集団の事で,マタギだったというホテルの六代目が20年ばかり前に始めた名物料理で,舞茸を雉肉とゴボウ・人参・山菜とともに煮て三つ葉を散らす,山里に伝わる鍋をもとに,これで飯を一人用の釜で炊いて出している。 昼食の後は,岩木山神社に立ち寄る.ここは昔から「お岩木さま」「お山」と親しんで呼ばれ,陸奥津軽の開拓の神,農海産物の守護神,また祖霊の座すところとして崇められきた。なお,ここは下居宮で奥宮は岩木山の山頂にある. メインの白神山地トレッキングが残雪の影響で短縮されてしまったので,鰺ヶ沢町のミニ白神をコースに入れた.ミニ白神は世界遺産地域からは離れているが,この地域も白神山地という山系に抱かれている.このエリアは,もとは藩政時代の田山で,田園の水を確保するために禁伐林として大切に守られてきたため,人の手が加えられておらず,世界遺産指定地域同様の森林景観を保っている.ここでは内回り1.1kmのコースと,外回り2.2kmのコースがあるが,時間的に内回りのコースを歩く事にした.総合案内休憩所「くろもり館」で虫除けの団扇を借りて,なんだか夕涼みのような姿での散策となった.
ミニ白神を後にして,鰺ヶ沢町の日本海側の高台にあるホテルグランメール山海荘が今晩の宿である. キは圧巻である.生ビールを注文してほろ酔い気分になっていると…,急に人影が少なくなった.なんだ?なんだ!と思っていると,みんな日本海に沈む夕陽を見に行ったのである.宿泊客に日本海に沈む夕陽を見てもらいたいために,この地に宿を建てたというだけあって,映画のラストシーンを見ているようである. |
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十二湖 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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3日目.トレッキングとしては最後となる,十二湖ハイキング. 十二湖と呼ばれる湖沼群は,何らかの原因によって川がせき止められて形成されたのではないかと言われている.十二湖と呼ばれてはいるが,実際には31の湖沼からなっている.今回は鶏頭場の池の畔から出発し,メインの青池へ向かう.青池はその名の通り,真っ青な水をたたえているが,少し,湖面に落葉の様なものが浮いている.むしろ,次の沸壺の池の方が湖水が奇麗に感じた.ここから下ると落口の池の畔の十二湖庵に着く.所要は1時間弱である.十二湖庵の脇には湧き水が流れており,この水は青森県の名水に認定されている.十二湖庵ではこの水を使った抹茶が無料で頂ける. |
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最後の食事は,十二湖の近くのサンタランド白神でとった.バスが到着すると,サンタクロースのお出迎えを受けた.ここは,世界自然遺産である白神山地の主峰・白神岳の麓に位置し,クリスマスのムードを一年を通して感じられる,夢いっぱいのサンタクロースワールドである.サンタポスト(郵便局)からは,クリスマスに着くようにクリスマスカードを送る事もできる.宿泊も可能で本格的なログハウスのコテージ,和風タイプの集合別荘ヴィラなどがある.一年中クリスマス気分が味わえるリゾート施設である.
サンタランドを後にして,国道101号線を北に向かう.車窓には日本海が広がり,国道脇にはJR五能線が平行している.五能線は秋田県・東能代駅から青森県・川部駅までの全長147.2kmを走るローカル線で,日本海や白神山地、岩木山といった景観の素晴らしさは全国的にも有名で,四季折々変化に富んだ景色が見られる人気のある路線である.リゾート白神という観光列車も走る. バスは日本海に面した千畳敷海岸で小休止を取って,急遽,ツアー参加者のリクエストで,鯵ヶ沢名物のイカ焼き・生干しの店に立ち寄る.観光バスが立ち寄る様な大きな店ではないが,試食させて頂いたイカ焼きはとても美味しかった. |
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太宰治のふるさと金木町で文学散歩 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
バスは内陸部に入って,太宰治の生家のある金木町に向かう.太宰治は津島家の六男として生まれた.その後建物は,津島家が手放し,昭和25年から平成8年までは旅館「斜陽館」として,全国から多くのファンが訪れた.その後金木町が買い取り,太宰治記念館「斜陽館」となっている.近くの芦野公園には「撰ばれてあることの恍惚と不安と二つわれにあり」という,太宰が生前,もっとも好んで口にしたといわれるヴェルレーヌの一節が刻まれている.芦野公園はあまり観光バスは行かない所だそうであるが,桜の季節にはにぎわう所で,訪れたときにも歩道には桜の花びらが残っていた.
■金木町
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旅の最後は,県都青森市に戻り,青森県観光物産館アスパムでのお土産ショッピング.建物は青森のAをかたどった正三角形をしている.アスパムの脇には,ねぶた小屋が並びテントの隙間から中を少し覗かせてもらった.卓球の愛ちゃんの通う青森山田学園のねぶた小屋もあった.アスパムの裏からは青森港や青函連絡船のメモリアルシップ八甲田丸,青森ベイブリッジを見る事もできる. 青森空港でバスガイドさん運転手さんと別れて,青森空港発19時40分のJAL3146便で帰路についた.夜の飛行場はロマンチックである.『♪旅に出るなら〜,夜の飛行機…』という下田逸郎の「セクシー」という曲を思い出した.色とりどりの誘導灯の並ぶ滑走路と飛行機はとてもSEXYでもあると思った.
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毎回このツアーのお世話をして頂いている添乗員さんは,支店でもツアーの最中でも笑い声がひときわ大きい,とても明るい人である.この明るい人柄に惹かれて多くの人がツアーに参加してくる.私もその一人である.だから,トレッキングツアーといっても,参加者の中には歩かれない方もおり,そういう人のために今回は観光も随所に取り入れてあり,添乗員さんの心配りが感じられた旅でもあった. また,秋のツアーが楽しみである.
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