「モダン都市東京」発掘隊

《プロフィール》
ここでは、乗越たかおが主宰してる「ニッポン・ジャズエイジ発掘隊」の概要と活動報告を紹介しています。
戦前のことを書いているので年寄りだと思っている人も多いようですが、30歳代です。



 ニッポン・ジャズエイジ
 発掘隊とは?

 発掘隊・その実績は?

 メンバー紹介

 発掘隊・報告会



ニッポン・ジャズエイジ発掘隊とは?
>> 「ニッポン・ジャズエイジ発掘隊」ってなんだ?
>> そもそも「ニッポン・ジャズエイジ」ってなんだ?
>> なんでそんなものを「発掘」するのか!?

「ニッポン・ジャズエイジ発掘隊」ってなんだ?
 失われた「ニッポン・ジャズエイジ」(後述)を発掘しようとしている奇特な連中。
 戦前のことを調べているくせに、そのほとんどが30歳代という若さを誇る。一応、作家の乗越たかおが主宰の形を取っているが、基本的に自分でテーマを持って精力的に活動している面々である。むろん、互いの情報は各人の活動にフィードバックされて、さらに深まっていくという有機的な関係である。
 自らもジャズ・ボーカルとして『青空』など戦前のジャズを普及させている「歌う博物館学芸員」や、戦前の映画を堀り起こしまくっている映画評論家、お笑いプロデューサーや詩人など、多士済々だ。
 むろん評論家の瀬川昌久氏など、当時を知る方々を顧問に迎え、様々なアドバイスと協力を仰ぎながらも、インターネットを駆使して、海外にも協力者がいる。

そもそも「ニッポン・ジャズエイジ」とはなにか?
 一般に「ジャズエイジ」とは、1920年代、好景気に浮かれていたアメリカの若者が、 ジャズやパーティにうつつを抜かしていた時代を指す。これは、ジャズの黄金時代でもあった。
 日本の近代史というと「戦争は大変だったんだ、食うものがなくて」という苦労話から始まるのがふつうだが、実は戦前の日本でも20〜30年代に、ジャズに浮かれた時代があったのだ。
 昭和2年に宝塚歌劇団が創設されて「少女歌劇」がもてはやされ、松竹歌劇団からは元祖「男装の麗人」で一世を風靡したタアキイこと水の江瀧子、アチャラカ喜劇で一世を風靡した天才喜劇人のエノケン・ロッパなどなどが活躍した時代。これが「ニッポン・ジャズエイジ」である。

なんでそんなものを「発掘」するのか!?
  だが、彼らと同等かそれ以上のスターは他にもいたのだ。しかし、今日はほとんど知られていない。伝統芸能と違って大衆芸能はバカにされ、資料もマトモに残っていないからである。
 このままでは、こういう人々がいたのだという事実自体が、もう21世紀には残らないだろう。これらのスターたちが「いなかったこと」になってしまうのだ。
 しかし! いまならかろうじて「本人」、もしくは当時を知ってる人たちが生きている!
 80歳とか90歳とかだけど。これが最後のチャンスなのだ! 走れ! ということで、使命感を持った物好きが精魂傾けているのである。

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発掘隊・その実績は?
ここでは基本的に乗越たかおの著作を中心に紹介すると
(詳細は「著作集http://www.bea.hi-ho.ne.jp/norikoshi/profile. htm」を参照)
>> 中川三郎…「擬装の麗人」といわれたタップスター
>> 川畑文子…ブロードウェイでスターになった日系三世

「擬装の麗人」といわれたタップスター 中川三郎
■1996年『ダンシング・オールライフ 中川三郎物語』(集英社刊・乗越たかお著)
■1999年『中川三郎ダンスの軌跡』(健友館刊・乗越たかお著)

 中川三郎という人は、戦後は社交ダンススタジオのチェーン展開をして、一世を風靡した人。
 しかし戦前はタップダンスのスターだったのだ。
 一七歳という若さで、なんと五・一五事件の翌年にタップの修行のため単身アメリカに渡り、二・二六事件の前の月に帰国してタップスターになる。そんなことやっとる場合か、というところだが、『ダンシング・オールライフ 中川三郎物語』では、本人のみならず以下のようなことが「発掘」されている。

戦前、漫才ブームで東京進出しようとした吉本興業の『吉本ショウ』の貴重資料(吉本興業でさえ焼失したもの)
これまで誰も書けなかった「あきれぼういず」という名称が初めて使われた時期を特定できる資料を発掘!
戦前の社交ダンス・ブームの、生の資料
幻の映画『鋪道の囁き』の紹介(後に発見される)

『鋪道の囁き』は、半世紀以上も行方不明だったが、ちょうどこの96年に、なんとアメリカで発見、現地でキレイに画像処理され、京橋のフィルムセンターで公開されている。なぜアメリカで、というと、戦前の日系移民向けに輸出されていた物が奇跡的に残っていたのだ。これに関して「発掘隊」は直接関与していないが、時期が一致していておもしろい。
(*この映画は現在フィルムセンターにはあるが、一般人はおいそれと見られる状況にない。このため、なんとか国民文化的資産として広く還元されるよう、つまりはより多くの人の目に触れるように画策しているところ。その様は、このホームページの
「掲示板 http://www.hi-ho.ne.jp/cgi-bin/user/ayuselfish/minibbs.cgi」で「発掘亭日乗」として連載報告中)

 なお、中川三郎に関しては、戦後編の活躍について細かく書いた、『中川三郎ダンスの軌跡』(健友館刊・99年・乗越たかお著)もある。

 >> 発掘隊・その実績は? へ

ブロードウェイでスターになった日系三世 川畑文子
■1997年 ミュージカル『青空 〜川畑文子物語〜』(乗越たかお原作)
■1999年 ミュージカル『青空 〜川畑文子物語〜』(乗越たかお原作)再演
■1999年 『アリス ブロードウェイを魅了した天才ダンサー 川畑文子物語』
 (講談社刊 乗越たかお著)

この人は、けた外れの天才である。
 9歳にしてロスアンゼルスでデビュー、13歳でブロードウェイのスターになり、17歳で日本劇場の柿落とし公演の主役をつとめながら、戦争直前に突然引退した伝説のスター、アリス・フミコ・カワハタ(川畑文子)。『上海バンスキング』の吉田日出子は、文子の『あなたとならば』をすり切れるほど聞いて、歌い方をコピーしたというのは有名な話だ。
 ここでの「発掘」は、なんといっても、

戦後、ロスアンゼルスに帰ってからは人にも会わず、生死もわからなかった文子さん本人がロスアンゼルスに健在であることを突き止めた。
さらに昔のことはかたくなに語ろうとしない文子さんを、さらに半年かけて国際電話と手紙で口説き続け、ついに戦後初のインタビューに成功した(小説のほう。舞台の時はまだ消息不明だった)。
舞台とのタイアップで、文子さんが吹き込んだ曲のほとんどが復刻CD化された。
そして絶望視されていた「動く文子」映像を発見!(「掲示板
http://www.hi-ho.ne.jp/cgi-bin/user/ayuselfish/minibbs.cgi」で「発掘亭日乗」として連載報告中)

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メンバー紹介
隊長 乗越たかお(作家 ダンス批評)
 主宰者。(詳細は「著作集&プロフィール
 http://www.bea.hi-ho.ne.jp/norikoshi/profile.htm」を参照)。
佐藤利明(娯楽映画評論家)
 ハリウッドのシネ・ミュージカルと日本の喜劇映画をこよなく愛し、ソフトの収集、資料の発掘、埋もれた作品にスポットをあてる娯楽映画研究家。内外の旧作のビデオ、LD、スカパーなどの作品セレクトにも関与している。「無責任グラフティ〜クレージー映画大全」(共著)など著書多数。
松井かおる(歌う博物館学芸員)
 江戸東京博物館勤務。後に述べる「報告会」にもさまざまな便宜を図ってくれているだけでなく、自身もマーサ三宅門下でジャズ・ボーカルとして活躍し、99年春のマーサ三宅ボーカルスクール発表会で唯一、優秀賞を受賞。戦前のジャズソングの普及に尽力している。99年2月には戦前の新宿武蔵野館で使われていたピアノを調律し直して行ったライブ&レクチャーでは1400人の申し込みがあった。
川江一二三(詩人)
 探検隊事務方。
顧問 瀬川昌久(音楽評論家)
 ……現代のジャズ、ミュージカルのご意見番。月刊『ミュージカル』誌編集長。
特別会員 ジョージ吉田(ジャズマン、日系二世アーティスト研究)
 サンフランシスコ在住。自身も日系二世で、戦前からジャズ・ミュージシャンとしても活躍している。日系二世アーティストについて書かれた『Reminiscing in Swingtime-JAPANESE AMERICANS IN AMERICAN POPULAR MUSIC:1925-1960』を97年に出版。
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発掘隊・報告会
>>  第四回報告会 「復活! ジャズエイジとしての喜劇王・エノケン」(2000年6月25日)
>>  第三回報告会 「幻の戦前ジャズ&タップ映画『鋪道の囁き』特別上映会(1999年11月27,28日)
>>  第二回報告会 戦前タップの黄金時代
◆◆◆ 戦前のタップダンサー名鑑 ◆◆◆
>>  第一回報告会 伝説の川畑文子に会った! 報告会

第四回報告会 復活! ジャズエイジとしての喜劇王・エノケン
■貴重な映像・資料、そして実演で検証する、エノケン
戦前のモダン都市・東京を体現し、「喜劇王」と謳われた榎本健一ことエノケン。
そのエノケン喜劇の魅力を最も引き出した作家といわれた菊谷栄が舞台用に書いた手書き原稿が大量に見つかりました。
その中で唯一、劇中で使う曲名が明記されている作品『大学無宿』(昭和9年作)を、歌とタップと生バンドで部分ながらも復活させ、エノケン喜劇の一端を見てみようというというもの。
さらに貴重な映像・資料を含め、とかくコメディアンとしての功績ばかりが強調されがちだったエノケンを「ジャズエイジ」という切り口で再検証していきます。

皆様のご支援のおかげで、昨年は3回におよぶ発表会をしてまいりましたが、このたび、やっと第4回を迎えることとなりました。
今回は、2003年に生誕100年を迎える喜劇王・榎本健一ことエノケンがテーマになっております。
これまでの「失われた戦前のエンタテイナーを復活させる」という発掘隊の趣旨からすれば、超メジャーであるエノケンを扱う意義があるのか? とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

ご存じの通りエノケンが爆発的人気を集めたのは、関東大震災で粉々になったあと復活しつつあった東京で、昭和4年浅草水族館二階で行われていたレビュー『カジノ・フォーリー』でした。
その後、舞台・映画に様々な活躍をして行くわけですが、なかでもエノケンが自らの一座(プペ・ダンサント、ピエル・ブリヤント等)を組んだときの座付き作家だった菊谷栄は、最もエノケン喜劇の魅力を引き出した作家と言われていました。
しかし左翼活動もしていたため当局ににらまれ、日華事変後とはいえまだ戦争が激化しているわけでもないのに菊谷栄は召集され、そのまま戦死してしまいます。
エノケンが片腕をもがれたような失意に沈んだと言われています。その早すぎる死のため、菊谷栄の真価は正当に評価されてきませんでした。

その菊谷栄直筆の原稿が「東京喜劇研究会(代表向井爽也)」によって大量に発見されました。
同会は、きたる2003年にエノケン生誕100年記念イベントを計画している団体で、発掘隊も協力しております。
今回の発掘隊は、映像とライブによってエノケン自身のコミカルなジャズソングの魅力を探っていくと共に、当時の劇団会報の『月刊エノケン』等の珍しい資料を駆使して、エノケンのジャズの魅力を検証していきます。

当日のスケジュール

【第1部 資料と映像で見るエノケン】
午後6:00〜7:00(話20分+映像40分)
当時の資料、映像を含めて、時代背景から、エノケン一座の埋もれていたエピソードの数々、そしてエノケンの驚異的なジャズへの情熱を検証していきます。
司会は乗越たかお。
文章資料は江戸東京博物館の学芸員の松井かおる、映像資料については映画評論家の佐藤利明(協力:キネマ倶楽部事務局)より貴重な数々をお見せいたします。
■  講師
乗越たかお(作家・ニッポン・ジャズエイジ発掘隊隊長)
瀬川昌久(音楽評論家・ニッポン・ジャズエイジ発掘隊顧問)
佐藤利明(映画評論家・ニッポン・ジャズエイジ発掘隊)
松井かおる(歌う学芸員・ニッポン・ジャズエイジ発掘隊)
(休憩15分)午後7:00〜7:15
【第2部 よみがえる幻のエノケン舞台】
午後7:15〜8:05(芝居5分+ライブ40分)
菊谷栄直筆原稿の中でも、当時実際に挿入された曲名がわかる数少ない台本『大学無宿』の一部をリーディングとバンド&歌&タップで「復活」させてみようという試みです。
菊谷が指定した曲を使い、小コント風タップ&ライブといった構成で、かつてのエノケンの舞台を「音楽面から」探っていきます。
出演者も充実。先日のナショナルタップデイでは「ハワイアンを倍速で踊る」など実力&センスの良さではピカイチのTOKYO RYTHM BOYS。
また発掘隊ではおなじみの歌う学芸員・松井かおるとジョー蒲池&Groovin' Highです。
■  出演
OKYO RYTHM BOYS(タップ 松本晋一&穴田英明)
松井かおる(歌う学芸員・ニッポン・ジャズエイジ発掘隊)
ジョー蒲池&Groovin' High(ピアノ・ジョー蒲池、ドラムス・八木秀樹、ベース・香川裕史、アルトサックス&フルート・鈴木和雄、トランペット・牧原正洋)

講師 乗越たかお 他
場所 両国江戸東京博物館(JR両国駅、国技館となり)
 1階大ホール(定員400名)
日時 平成12年6月25日(日)
問合せ先 ニッポン・ジャズエイジ発掘隊(オフィス・カステロ内)
E-MAIL norikoshi@bea.hi-ho.ne.jp
料金 前売り3000円 当日3500円
座席 全席指定(満員の場合、当日券は発行しないことがあります)
申込方法 事前の申し込みは必要ありません。参加費用を郵便振替でお振り込みください。
宛先:有限会社オフィス・カステロ
郵便振替 口座番号:00170-6-133785

●振り込み金額:(チケット代3000円×人数分)+チケット送料80円
 例:3枚申し込む場合
 3000円×3枚+チケット送料80円=9080円 となります。
 例 1枚:3080円 2枚:6080円 3枚:9080円 4枚:12080円
●「通信欄」に、住所・氏名・電話番号・枚数を明記
●前回参加者は「第何回参加」とお書きください。
●インターネットによる「発掘隊ID」をお持ちの方は、
 「氏名・電話番号・枚数発掘隊ID」だけで結構です。
●〆切:6月19日(月)必着




第三回報告会 幻の戦前ジャズ&タップ映画『鋪道の囁き』特別上映会

 1991年、戦前の日本で作られたジャズ&タップ満載の映画『鋪道の囁き』が、約70年ぶりにカ リフォルニアで発見されました。
しかし京橋のフィルム・センターで一度上映されただけで、一般の人は見る 機会がないまま、実質死蔵されていました。そんなこっちゃいかん!乗越たかおは、プロデューサー加賀四 郎のご子息、加賀祥夫氏の全面バックアップのもと、長い交渉の末、フィルムセンター以外での初公開にこぎつけることができました。
今回の報告会では、さらに貴重な資料を豊富に使った詳細な作品解説や、関係者の貴重な証言などを交えて、「戦前のモダン映画」について見ていきます。
また当日参加者だけに明かされる、「秘密のトクする情報」があります。

講師 乗越たかお 他
場所 江戸東京博物館 会議室(定員100名)
日時 平成11年11月27日(土)、28日(日)
午後6時30分〜午後8時30分(受付開始 午後6時15分)
問合せ先 ニッポン・ジャズエイジ発掘隊(オフィス・カステロ内)
電話03-3586-1063
E-MAIL norikoshi@bea.hi-ho.ne.jp
料金 前売り1300円 当日1500円
座席 全席自由。当日先着順。(満員の場合、当日券は発行しないことがあります)
なお当日5時までは他のイベントが会場を使用しております。あまり早い時間から並ばれますと、他の団体及び江戸東京博物館に迷惑をかけることになりますので、ご遠慮ください。
申込方法 参加費用を郵便振替でお振り込みください。
宛先:有限会社オフィス・カステロ
郵便振替 口座番号:00170-6-133785
●振り込み金額:1380円(チケット代1300円+チケット送料80円)+手数料
●住所・氏名・電話番号・枚数・希望日を明記(※希望日を忘れないでください)
●〆切:10月31日(日)
◎発掘隊IDある方は記入

■  座席について
「指定席にしたら」というご意見もいただきましたが、「一人でも多くの方に参加していただきたい」「年金生活で経済的余裕のない方でも無理なく参加できる値段設定を」という主旨から、空席のリスク分を参加費に上乗せせざるを得ない指定席制は無理と判断し、自由席にてお願いいたします。

■『鋪道の囁き』について
 昭和11年 加賀ブラザース第一回作品(戦前は未公開。終戦後『思い出の東京』と名を変え昭和二一年、松竹で配給)

出演……鈴木傳明 中川三郎 ベティ稲田 関時夫他  特別出演……中野英治 高橋義信 コロムビア・ジャズ・バンド 他
音楽……服部良一 。
「アメリカ生まれのジャズ・シンガー(ベティ)が日本で成功するが悪徳興行師にギャラを持ち逃げされる。街をさまようベティと、職を失ったバンドマスターの三郎。色々あって三郎はバンドの再起を賭けてコンクールに出演するが生気がない。そこへ行方不明だったベティが駆けつけてコンクールに優勝し、見事二人は結ばれる……」 (乗越たかお著『ダンシング・オールライフ 中川三郎物語』集英社より抜粋)

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第二回報告会 戦前タップの黄金時代
ニッポン・ジャズエイジ発掘隊 第二回 中川三郎と川畑文子 戦前のタップ黄金時代

【主旨】
 フレッド・アステア生誕100年を迎える今年、同時代の日本で輝いていたタップに的を絞り、数々の資料とともに見直してみようというのが今回の企画です。
 中川三郎と川畑文子という、戦前の雑誌で「日本のタッパー 一九三八年度版」では男女の横綱にランクされている二大スターを軸に「発掘」した貴重な資料をもとに形成していきます。
【企画内容】
■  奇跡的に見つかった川畑文子の映像を上映
■  戦後行方不明になっていた川畑文子へのロスアンゼルスでのインタビュー 映像特別公開
■  SP版による「戦前日本のタップダンス」聞き比べ
■  ジャズ評論家・瀬川昌久氏と、「発掘隊」隊長の作家・乗越たかおのトーク
■  戦前のタップスター(ジョージ堀・林時夫・稲葉実・荻野幸久・中村弘高・姫宮接子・ベティ稲田等)の資料展示
【さらに予定される内容】
■  中川三郎・ベティ稲田らが歌い踊る、幻の映画『鋪道の囁き』上映(フィルムセンターとの交渉が進まなければ、公開を要請するための署名大会)
■  現役若手タップダンサーを呼んで実演&レクチャー
■  タップと歌のミニ・ジャズ・コンサート
講師 乗越たかお 他
場所 江戸東京博物館 大ホール(定員400名)
日時 平成11年7月10日(土)午後5時30分
(8時まで。途中休憩あり)
問合せ先 ニッポン・ジャズエイジ発掘隊(オフィス・カステロ)
 電話03-3586-1063
料金 2000円
申込方法 6月21日(月)までに往復葉書で申し込み。多いときには抽選。
 往復葉書には「参加希望者全員の氏名・住所・電話番号・年齢」を明記し、復信用葉書には自宅の住所を書いて、下記の住所へ郵送してください。
 〒106-0044 東京都港区東麻布2-26-6 大竹ビル2F 
(有)オフィス・カステロ ニッポン・ジャズエイジ発掘隊 宛
スタッフ 企画  乗越たかお
制作  川江一二三(有限会社オフィス・カステロ)
協力  松井かおる(江戸東京博物館)
     冨田かおるタップダンスカンパニー
     瀬川昌久
     三澤美
音響  森下進(アルカディア)
照明  KATONBO logotypes are designed by Yuichi Miyasita

さて、当日は!?…
 当日は江戸東京博物館の大ホール(定員400名)を埋め尽くすほどの大入り。
様々な事件(^_^;)が。 ●入り口で暴動寸前!
今回は、「お年寄りが多いから、当選を知らせる返信用ハガキに整理番号を打って、その順番に並んでいただこう。 そうすれば早く来て席取りをしなくてもすむだろう」と思っていたのですが、なんと3時間前から来て並ぶ元気なお年寄りが殺到(^_^;)。
みなさん、パワフルで、「早く来たんだからオレから入れろ」とエキサイトする 一幕もありました。
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■ 姫宮接子さん 特別出演!
 後ろの「タップダンサー名鑑」にもありますが、 往年の新興キネマやムーラン・ルージュでの大スターで、タップの名手としても知られていた姫宮接子さん (僕も大ファンで、僕の小説には必ず登場します)が、第二部に特別出演してくれました。
年を感じさせないキュートさで、明晰な記憶。 会場を魅了していました。

■ 発掘隊のロゴタイプできる!
  宮下裕一氏のデザインによる。
また、当日の案内板やスタッフ用名札を作ってくれたのはダッチさんこと三澤美さん。

《アンケートより》

・時間との競争だと思いますが、ぜひどんどん企画をやってください(61歳 男性)
・ドラマの量の膨大なことに驚いた(?歳 男性)
・今日の企画 大変よろしく 生きた時間を過ごせました。(70歳 女性)
・ラストに実際にライブがあったので、ものすごく説得力がありました。(27歳 女性)
・まわりのおじいちゃま、おばあちゃまの表情がすごくいきいきしていて……。
 昭和初期もなかなかなもんだったんだ、と実感。(35歳 女性)
・川畑文子の大毎ニュースはとてもよかった。探索の努力が報いられてなによりでした。
 (67歳 男性)
その他…  「冨田先生のタップ、素晴らしかった!(73歳 女性)」、
 「松井かおるさんのヴォーカルは日に日に充実している」(50歳 男性)、
 「姫宮さん、素敵でした(36歳 女性)」等、多数!

アンケート回収率は高く、年代も老若男女のバラエティに富んでいました。
また、「私も発掘に参加したいと思いました」と言ってくださった27歳女性の方!
あなたのような方をお待ちしております!

■ また、確認できた限りでは……
・最遠隔地……北海道より参加
・最年長者……92歳。
・最年少者……11歳。
ちなみに最年少の方のアンケートは「私はタップをはじめて4年たちましたけど、タップのいい音のだしかたをおしえてください。(11歳 女性)」でした(^_^;)

Q. 姫宮さんはいまもタップをされることがあるのでしょうか?(53歳 女性)
A. とてもご健勝で、週のほとんどをタップと水泳で過ごされているそうです。

Q. 乗越たかおさんはイトウミチオさんを書かれる予定はありますか?(52歳 男性)
A. 現在発掘中の人は伊藤さんではなく、今のところ小説で書く予定はありません。ちなみにすでに『伊藤道郎 世界を舞う』
(冨田富士男著 武蔵野書房)、『伊藤道郎 人と芸術』(ヘレン・コールドウェル著 中川鋭之介訳 早川書房)
といった詳細な研究書があります。

Q. 今日やったような戦前のタップをCD化できないでしょうか? それとももうあるんでしょうか?(70歳 女性)
A. 僕の知る限り、こうした「戦前のタップばかりを集めた物」というのはありません。
考えたら良い企画かも。どこかで出さないかなあ。といった詳細な研究書があります。

当日のスケジュール(当日のパンフに若干手を加えたもの)

【 第1部 】 よみがえる川畑文子 (5:30〜6:45) (講師:乗越たかお)
・  戦前にブロードウェイと日本でスターになった秘蔵写真でつづる川畑文子ストーリー
・  文子の得意技「ハイキック」の映像を、当時の映像で見る
・  戦後行方不明になっていた川畑文子へのロスアンゼルスでのインタビュー映像を特別公開
・  戦前の川畑文子の秘蔵映像を上映(昭和10年3月のニュース映画で『上海リル』を歌っている1分39秒の映像。乗越たかおの執念が実った、70年ぶりの公開映像となる)
休憩 15分
【 第2部 】 戦前タップの黄金時代 (7:00〜8:00) (講師:乗越たかお)
 (出演:乗越たかお・瀬川昌久・冨田かおる 特別出演:姫宮接子
・  ジャズ評論家・瀬川昌久氏と、「発掘隊」隊長の作家・乗越たかおのトーク
・  SP版による「戦前日本のタップダンス」聞き比べと、現役タップダンサー 冨田かおるさんによる実演&レクチャー
・  特別出演の姫宮接子さん
【 第3部 】 ミニ・ジャズ・ライブ (8:00〜8:30)
 (出演:ジョー蒲池・松井かおる・冨田かおる)
・  ジャズとタップのミニコンサート
・  曲目:『青空』『スィングしなけりゃ意味ないね』『イエス・サー・ザッツ・マイ・ベイビー』
 (3曲目は、チェリー・ミヤノが歌い川畑文子がタップを踊ったものと比べてみてください)

■  冨田かおるさんプロフィール(冨田かおるタップダンスカンパニー代表)
センスが良く、踊る楽しさが伝わってくる舞台を作る、乗越たかおイチオシのタップダンスカンパニー。
その実力と人気は900人以上の生徒数という数字にも表れている。
外部の舞台やテレビにも振り付けるほか、教則本やビデオなど、多方面での活躍がさらに注目を集めている。
http://www.bekkoame.or.jp/i/tomitatap/index.html
■  ジョー蒲池さんプロフィール(ジャズピアノ、キーボード、作編曲家)
『稲垣次郎とソウルメディア』、『原信夫とシャープス・アンド・フラッツ』等のバンドで活躍し、海外公演にも多数参加。有名アーティストの日本公演の伴奏も多く手がける。現在は自らのバンド『グルーヴィン・ハイ』の他、フリーの演奏・作編曲活動と多岐にわたって活躍中。
■  乗越たかお、松井かおる、瀬川昌久等の発掘隊メンバーに関しては、「発掘隊プロフィール」を参照。

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第一回報告会 伝説の川畑文子に会った! 報告会

▲これが伝説のハイキック!
講師 乗越たかお
場所 江戸東京博物館
第2学習室(定員40名)
日時 平成11年4月24日(土)
6:30〜8:30
入場料 1000円(事前に電話かメールで申し込みが必要)
問合せ先 (内容に関する問い合わせ&申し込み先)
 オフィス・カステロ 電話03-3586-1063 
(会場に関する問い合わせ)
 江戸東京博物館 電話03-3626-8006
内容 戦前のエンタテイナーを研究するニッポン・ジャズエイジ発掘隊。主宰者であり『アリス ブロードウェイを魅了した天才ダンサー 川畑文子物語』(講談社刊)、ミュージカル『青空 〜川畑文子物語〜』(現在全国ツアー中)の作者でもある作家の乗越たかおは、戦後いっさいの消息を絶っていた川畑文子さんへの初インタビューを敢行。その模様を、未公開の写真やインタビューの映像を交えて報告する。また文子さんの得意技だった伝説の『ハイキック』がどのようなものであったのか、貴重な資料映像を交えて検証する。
さて、当日は!?…
 読売新聞(4月20日付 都民版)に大きく写真入りで報じられたこともあり、定員の倍近い参加申し込みがあった。急きょ机を外して椅子を追加する。が、当日は「台風か!?」と思うような雨風吹きまくり。江戸東京博物館のレストランで滝のように落ちる水流を見ながら腹ごしらえをしている最中は、どんよりしてました。入り口がわかりにくかったりして苦労した方もいらっしゃったようだが、開けてみれば盛況じゃった。
 僕の本やミュージカルを見て興味を持った若い世代と、当時を知る高齢者の世代とが、何の違和感もなく席を並べる、不思議な「なごみ」の空間だった。休憩時間には老紳士が隣の席の若者に持ってきた写真を見せながら話しかけていたり、美しい老婦人と電話番号を交換したりして(ナンパか!?)、さすが元不良の面目躍如でしたな。でもこうして世代を越えて通い合う。そういう「場」として機能することが、「発掘隊」の第一意義であると言ってよいだろう。

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