失敗の原因は、エッセーやスケジュールといった記述論述問題を軽視しすぎていたことだった。
　一回目の受験で、FAREのエッセーを白紙で提出したことがある。これは何も時間がなかった、あるいは全く手も足も出なかったというのではなく、問題を読み間違えて、「エッセーかスケジュール（計算問題）かどちらか一方のみに解答せよ」と指示されていると思い込み、スケジュールにしか解答しなかったのだ。それでも事実、このときも60点には優に達している。
　普通に勉強できておれば50点を割り込むことなどありえまい。しかしエッセーで得点できないと75点には届かない。英語力に劣る自分は特にエッセーをきっちりとやっておかなければならなかった。自分なりのエッセー対策を行っておくことが、60点から先の15点を取るためには必要だと、もっと早く気づくべきだった。後悔している。

　MC何周だのそれだけなら自己満足に過ぎない。はっきりいって一周もして、あとは解けなかったもの、間違えたものをやり直せば十分だろうと思う。
　MCは試験問題であって（アウトプットツール＝学習の成果を診断するツールであって）、ゆえに頭で理解するために使うには（インプットツール＝学習するツールとしては）不適当である。エッセーやOOAFをじっくり理解されるのがよい。
　大学受験時を思い出されてほしい。じっくり机に向かって勉強できるときには、『シケ単』（私は関西人なので『デル単』とは言いません）などシコシコ覚えたりはせず、長文読解などをするはずである。わざわざ時間を取って単語帳など覚えているのは、勉強の仕方が下手な証拠である。長文が読めなければ、英語で合格点は取れない。単語を覚えることなど、電車の中か休み時間といった空き時間でいい（し、やらなくてもいいと考えている。単語帳などで語彙を増やすのは極めて非効率的である）。
　MCもその程度のものだと思う。エッセーやOOAFで得点できなければ合格できない。
　また、エッセーに出題されているポイントは、その単元のキーコンセプトである。特にLPRは、エッセーやOOAFのややこしい入り組んだ問題を十分に理解されていくと、MCが簡単に解けるようになる。FAREは様々なスケジュールを完全に書けるようになられるとよいと思う。合格したときの受験時も、LPRとFAREに関しては、解いていないMCが何問もあるが、合格するだけのためなら、MCなどたいした問題ではない。けっきょくは、エッセーでどれだけ得点できるかである。（もっとも、MCがまったくできないのにエッセーは書けるということはありえないだろうが）

　ただし、問題を解く練習として（アウトプットの練習として）MCを解く訓練をする必要はあるかもしれない。これはあくまで『練』習であり『学』習ではない。意識して区別しておく。私は「英文を速く読めるようになること」に主眼を置いた『練』習中心だった。
　あるいは、エッセーなら、読んでキーワード、キーフレーズやコンセプトを押さえるのは『学』習だが、実際に時間を計って書いてみるのは『練』習である。練習と学習ははっきりと区別しておくこと。

　また、練習を通じ自分がMC一問を解くのにかかる時間を把握しておくことを薦める。それによって、試験本番での時間配分がシミュレートでき、本番の試験で、エッセーに予想以上に時間がかかってしまった、というような場合も修正が利く。残り時間から考えて、全問は解けないな、というような冷静な判断が試験中あらかじめできれば、パニックになることもなく、実力を出し切れるだろう。

　実力が足りなくて不合格なら納得もいく。だが、実力を出し切れなくて不合格は愚かしい。

LPR ：　 四科目の中では段違いに簡単な科目である。理由は、LPRはロジックの科目であるからだ。ロジックは万国共通であり、英語も日本語も関係がない。日本人にとってはありがたい科目といえる。エッセー用に英語での法律的な言い回しさえ押さえておけば、他にはたいして覚えることもなく、勉強量も少なくて済む。難易度が低いためか試験時間が短いのは厳しいが、時間配分を誤らなければ全問を解かなくても何とかなる。	ARE：　エッセーなしの数字だけなので、大方の人にとっては最初に科目合格を期待できる科目。私のようなモノ書きにとっては最後になってしまったのも仕方がない。得意でない人は、税法にすべてをかけて公会計と管理会計は天に祈るか、逆に三分野ともそこそこに仕上げておくか、どちらかでいくと腹をくくりましょう。私の周りの合格者は前者ばかりで、私自身も公会計が大嫌いで、完全に前者に近い。OOAFが勝負。
AUD ：　四科目の中では段違いに困難な科目である。基本を押さえているのは当然、さらに細かい知識を正確に大量に暗記していないと、OOAFは単なる記号合わせかおみくじと同じ（＝つまり運任せ）になってしまうだろう。エッセーも細かい知識が必要。難しい。	FARE：　まずはスケジュールを正確に書けることを目指して勉強するとよい。MCばかりやっていてはいけない。LPR同様、常に理論的な背景を押さえておくほうがよいが、どうしても腑に落ちなければ解法を覚えてしまう。そのうち分かると信じよう。