CPA合格体験記 最後に

 決してやさしい試験ではないが、油断することなく、また勉強の方法を間違えなければ、私の英語会計力でも、当然もっと早くに合格できていたはずだと思う。また、やはり短期集中で計画するほうが試験合格においては有利だろう。

 率直に言って他人より勉強時間は少ない。少なくとも、簿記会計に関して無知、英語力TOEIC400未満くらいの状態から勉強を始めた人の中では、時間としては短いはずである(期間については恥ずかしいが)。
 決して勘違いなされないでもらいたいのは、『100%必ず合格できる勉強法』について述べたわけではないということ。
 たとえばMCは一周でよいとも書いたが、それはMCよりもっと大事なことがあるということを述べただけであって、エッセーやOOAFを十分にこなし、まだ余裕があるのなら何周でも回したほうがいいに決まっている。優先順位があるというだけのことだ(なんでも優先順位を間違えると無駄な努力になる)。
 合格するためにしなければいけないことが決まっている以上、それを確実にすれば合格はできる。ただ、努力した成果をできる限り再現させるために、体験記を参考にしていただければと思う。早く現地入りしすぎて不要なトラブルに巻き込まれ、余計なプレッシャーにつぶされ(酒などでまぎらわし)、試験当日まで勉強し、不眠の状態でテストに臨むなど、まさしく愚か。大局を見失った振る舞いである。ここまで読んでくださったみなさんが行うべき正しい振る舞いではない。

 渡航費や滞在費、Gleimなど参考書代も含めてかなりのコストがかかっているし、それ以上に合格のために費やした時間コストは相当である。これらのコストを取り返すことができるかどうかは、これからの自分にかかっていると思っている。しかし、今までに得られた、あるいはこれから得られるであろう成果と今までのコストを比較すれば、十分にペイする選択をしたと自分では考えているし、そうでなければならない。多くの人々に支えられての合格だった。感謝の気持ちでいっぱいだ。

 97年5月にケチカンで受験された方に知っていただきたいことが一つある。多くのケチカン受験の方はU.S.E.N.のツアーに参加された方だと思う。私も初受験だったこのときだけ、受験ツアーに参加していた。(97年5月受験日記
 試験二日目、FAREの勉強をしようとAREを早めに提出し(一時間前くらい)、試験会場だった体育館の控え室のような部屋に入っていると、女性のプロクターが、われわれ受験ツアーで現地業者さんに手配してくれていたコーヒーだのジュースだのといったランチ類を、部屋の中に運び込んでくれていた。一日目のお昼に、何も知らずそれらをいただいていた自分が居たたまれなかった。真っ先に「お手伝いしましょう」と彼女に声を掛けられなかったことを、いまだに悔やんでいる。
 ほとんどの受験者は、時間いっぱい使って試験に取り組んでいたはずだろうから、試験を監督するプロクターの方が、わざわざそんなことまでしてくれていたとは、気付かなかっただろうと思う。遠い異国からはるばるやって来たわれわれ日本人受験者のために、どれだけ助けをいただいたか、ケチカンの皆さんには本当に感謝しています。あのケチカン受験が、CPAとしてのキャリアの始まりだと思っています。(CPA職務展望
 ただ、結局、このときに勉強したFAREは、まるでかすりもしなかったので、やはり勉強は現地でやるものではない。

 これから受験される皆さんも、正しい勉強計画を立て、正しい受験準備をして、現地では正しく振る舞ってください。日本での受験準備が報われるかどうかは、いかに正しく振る舞えるかにかかっているのです。正しい勉強は大切ですが、正しい振る舞いも同じように重要 だということをお忘れなく。

勉強と試験の軌跡失敗の理由正しい渡航準備正しい振る舞い|最後に|要点のまとめ質問と答え


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