2017/8/2

 
No.606

老猫まるこ生還

 あれは道長がここ、豊川市に作業所を移転して5年目の2000年の初夏のこと。初代愛犬きくの散歩の途中、できれば聞かなかったことにしてしまいたい「ピー、ピー」という鳴声に耳を澄ませてしまい、図らずしもやむを得ず、二匹の子猫(♂と♀)を拾ってしまったのだった。

 当時、ぼくらはここ、旧音羽町には作業所だけで家はなく、岡崎からの通いだった。かといって、岡崎の実家には、すでに親子猫が二匹住んでいたため、二匹の子猫の嫁ぎ先を探さなければならない羽目になる。結局「しばし」の約束で、次女(ぼくの)の家での厄介住まいを押し付けてしまった。約束とは破られるためにある、の格言どおり、以来、音羽に移住を果たす2006年まで、長々次女の家で居候となるのだった。

 やっとのことで、音羽に新作業所の新築、移住を果たしたその年、とうとう二匹を引き取ることに。だがしかし、音羽に引越ししてきた二匹の兄妹は相性があまりよくないことが判明。体重8キロ超のまるこに遊ばれ、どうやら彼女、生活に疲れてしまう様子。結局、彼女はふたたび、岡崎の次女の家に出戻っていった。

 だがその後、さらに三匹の猫が相次いで参入することになるのだけれど、ここでは話が長くなるのでいきさつは割愛(関連記事は『道長だより』507578591593などをごらんください)。

 そして年月が経過し、この春、まるこの妹?ウォルミーが17歳を前に死去。まるこも最近老け込み、白髪も増え、やせ衰え、体重も5キロを軽く切るほどの老い振り。  で、まるこ、つい先日、倒れてしまったのだった。苦しそうによだれをたらし、瀕死の様相で息も絶え絶え。しばらくして発作が治まっても立つことができず、口元に水を持っていっても飲まず。このままでは駄目と覚悟を決めたぼくら、かかりつけの獣医さんに連れてゆく。診断は不整脈からくる急性心不全とのこと。そういえば、過去、何度か似た症状がありました(今回は重かった)。回復を祈り、点滴をしてもらい、回復期用の高たんぱく食の缶詰を1個いただいて帰宅。

 おそらく、まるこにとっては人生、最も長い時間をすごしたことだろう。それでも、しばらくすると水を飲むようになり、とうとう獣医さんの缶詰を口にしたのだった。「すごい!」。その生きようとするけなげな姿、気力には心が動いてしまう。一体、何がまるこをいまわの際(きわ)から引き戻したのかしら。ぼくらと二匹の子分の、いましばらくの生活、ひとときを望んだのかもしれない。
 もう、発作から1週間以上経過。足腰がヨボヨボなのは変わりないけれど、すこしだけ体重を増やしてきている。何とか寿命を延ばしたよう。
 健康がもどってきたかと思ったら、今度はまた、寝床に来てはちょっかいを出してきたり(爪が痛い)、腹の上に寝そべりにくる。そんないたずらには少々辟易気味だけど、少しなら許してあげよう。

 心臓に爆弾をかかえながらの、これからしばらくの余生だろうけれど、ぼくらと二匹の子分たちとの貴重な時間を楽しく過ごさせてやろうと思う。

 かかりつけの柴田動物病院さん、ほんとうにありがとうございました。

ずいぶん老衰してきました(右)