新城市で有機農業を実践
福津農園
松沢政満さん


 豊橋市の北、静岡県との境に近い新城市中宇利というところ。県道81号、豊橋新城鳳来線沿いに『福津農園』という案内板がひっそりと立っている。『福津農園』は南向きのなだらかな山腹にあり、農園主は道長の漬物の生産者としてもおなじみの松沢政満さん。

豊橋方面より、県道81号、通称『豊橋新城鳳来線』を鳳来方面へ
中宇利をさらに奥に進むと、松沢 福津農園という看板があります


 松沢さんをよく知っているというわけではないのだけれど、その性格をぼくの印象でピックアップしてみる。まず@温厚である。A好奇心が強い。B理論と実践、両面を重んずる性格。といったところだろうか。最初松沢さんにお会いする前、新城市の市会議員をしたことがある人と聞いていたため、『そういう人』なのかなと想像したのだけれどそうではなく、安心したおぼえがある。

 『福津農園』の特徴は、少量多品種が基本。南向きの斜面に植えられた果樹はというと、みかん、甘夏、柿、梅他。しかもそれらが混植されているため、カラフル。こうしておくと収穫などに多少手間がかかることもあるのだけれど、病害虫の予防には非常に効果があり、お互いの樹のためにもよい。

 米作りを見せていただいたこともある。『福津農園』ではイネの除草にはアゾラ(オオアカウキクサ)を利用していて、それがすこぶるよい結果をだしているとのこと。昨年だったかの初夏に福津農園におじゃましたとき、稲田の水面はアゾラでびっしりになっていた。除草の手間は大軽減。それに、松沢さんいわく、そのアゾラの上をトノサマガエルが跳びまわり、イネの葉にとまったカメムシやウンカなどをよく捕食してくれるとのこと。まったくよくできた食物連鎖がおこなわれていることに驚かされたもの。

 動物はヤギ一頭、鶏200羽で農園と生活から発生する野菜くずや生ゴミのすべてを消費してくれる。生ゴミをたい肥化するより、まず動物のエサにしてその糞を肥料にまわす。なんと効率のよい『循環』なのだろう。

 収穫した野菜は週1回の豊橋での朝市で販売され、しっかりとした固定客がついている。他に共同購入会などにも卸している。

 野菜50余種、果樹約40種、きのこ、鶏卵、山菜、その他ジュース、漬物ほかの農産加工品多数。その多くを豊橋市の朝市で販売しています。

 まだ伝えなくてはいけないことでいっぱいの『福津農園』なのです。

松沢農園では、アゾラでイネの抑草をしています。


「こんなにきれいな梅の実なんですよ」と松沢さんの奥様
松沢さんの梅畑は、水はけのよい斜面にあり、日当たりも良好。梅木もしっかりと根を張っているため、干ばつにも強く、健康的です。

果実はしっかりとし大粒で、甘味もあり良質です。

松沢さんの梅は、販売用として梅エキス(飲料用)の原料として使われます。

そして、道長の梅ぼしの原料にもなっています。


松沢さんのプロフィール

静岡大学農学部農芸化学科で応用微生物学を専攻。卒業後、14年間食品会社の研究開発をしてみえました。

1984年帰農。『福津農園』を運営。
松沢さんのお宅は新城の山奥、築300年という旧家での代々の農家。その農法は、愛知県の東三河地区ではみなが知るほどの自然農法にちかいもの。農薬・化学肥料などを使わず、微生物や草を上手に使って多品種に渡る農産物を生産販売しています。

ワンちゃん。福津農園を獣害から守るという大切な役割があるのです

現場での農業生産もさることながら、農業に対しての学術的な知識も豊富。とくに微生物学には大変詳しく、その知識は農業に如何なく発揮されています。

社会運動にも積極的で、ゴルフ場反対運動、自然環境保護活動のほか豊橋有機農業の会日本有機農業研究会、愛知県有機農業研究会会員(リゾートゴルフ場問題全国連絡会、東三河ゴルフ場問題ネットワーク、豊川を守る住民連絡会議、東三河環境ネットワークほか。新城市会議員も歴任)。
遺伝子組み換えシンポジウムにもしばしば登場。農業者の立場からの発言は現実的で、説得力もあります。

お問い合わせ:
福津農園 松沢政満
〒441−1334
愛知県新城市中宇利福津38
TEL:0536−26−0683