小山農園
愛知県新城市(旧鳳来町)で梅の生産
小山さん夫妻
■小山柳二さんは、2023年12月にお亡くなりになりました。
名古屋市で公務員を勤めたのち、ここ旧鳳来町四谷に帰農され、以後、20年以上、梅の栽培に従事されました。道長も、小山さんからは多くのことを学ばせていただきました。
小山さん亡き後、四谷地区からは、目と鼻の先の連合地区の長谷川洋子さんと原田さんに、引き続き、梅、小梅をお願いしています。
小山さん、長い間、ありがとうございました。
夏、奥に鞍掛山(882.6m)を望む
旧鳳来町(現新城市)の四谷地区といえば日本に数ある千枚田(棚田)の中では、その規模もさることながら、風光の美しさでも知られたところです。
小山柳二さんはここで生まれましたが、公務員として大阪に勤務。その後、今から30年ほど前、アイターンでふるさとに帰り、梅農家になりました。
風光明媚な四谷千枚田の一角に小山さんの梅畑があります(左の写真ではもう少し手前の方)。約3反の畑に20本の梅の木があり、植樹してから35年ほど。
そしてさらに、左の写真は小山さんの自宅から写したもの。玄関の戸を開ければ、なんともうらやましい限りの眺望。
冬景色
原田さんと長谷川さん
こちらからも梅を頂いています
梅の栽培・生産はデリケート。水を多くほしがるくせに水はけがよくなくてはいけない。春に葉が茂っても、梅の木全体に日照が行き渡るように剪定をしなくてはいけない(寒の頃、梅の木が眠っている間に)。あわせて必要ならば肥料も。
とくに無農薬で栽培するのはたいへんです。たとえば梅の樹皮にコケが付くとします。コケは梅の木の枝に芽吹こうとする新芽までも覆ってしまい、湿気をあたえ、木の養分さえも消費してしまいます。コケというと気楽に考えてしまいますが、これが結構深刻なのだそうです。決定的な対処法としては『農薬』ということになってしまいます。でもそれが使えないというならば、剪定で日当りをよくしてやるくらいしか方法がない。コケの発生も立派な病気といえるのかもしれません。
梅畑にて
果樹農家にとって、作物との付き合いはそれが樹木であるがために、長い間の付き合いになってしまいます。野菜や米のように、そのシーズン限りというわけにいきません。せっかく育ててきた梅の木を枯らしてしまうのか、生かすのかの二者択一をしなければならないときもあります。
小山さんの梅の木には農薬を使っていませんが、無農薬ということの難しさ、大変さに頭の下がる思いです。