おいしい梅ぼし 

梅ぼし作りは『梅』と『塩』えらびがすべて
まず梅ですが、若干黄味のかかった完熟梅を選び、ひとつかじってみて果肉が厚く、渋みの少ないものがいいでしょう
次に塩選びですが、塩は梅ぼしを漬けるのに必要なただ一種類の調味料だけに、良いものを選びましょう
この塩選びひとつで梅ぼしの味がおどろくほどちがってくるものなのです

梅ぼし作りの材料:
できれば梅の木で完熟した実2Kg
塩(とくにこだわりましょう)300g
赤しそ(枝付)2Kg

  ・少ない量の梅を漬ける場合はこちらを参考にしてください

 梅をアク出し洗浄:
一晩水に浸して(完熟梅は水に2時間浸せば十分)からきれいに洗う


ごろごろころがすようにあらう
写真は業務用

 水をしっかり切る

 漬け込み:
容器の底に塩を振り、梅を少し入れては塩を振る。これをくり返す
分量の8割ほどの塩をとっておき、最後にそれでふたをします

梅の表面に塩粒でキズをつけるように

 重石をかける:
梅の重さの倍くらいの重石をかけます
一晩から二晩で梅酢があがって、ひたひたになるのがよい
時々様子をみて、容器を傾けるなどして、梅酢を全体に行き渡るようにしてください

塩でおおってこれに重石をかける

 赤しそをいれる:
しそ葉をむしったら、きれいに水洗いします
水切りしたしそ葉にかるく塩をふり、もむ
アク汁はしっかりしぼってすてる
漬け梅の梅酢を含ませて、鮮やかな赤色が出るまでにもむ(梅酢は捨てません)
漬け梅にしそでふたをする(中にも少しはさみこむ)。このとき、十分梅酢でひたるようにしておきます
しそを入れたら、最低10日は置くようにする。


しそ葉をむしる

 土用干し:
土用の強い日差しで天日干しします。しそは梅酢をしぼって干す(赤梅酢も容器のまま天日にさらす)
干した梅としそはふたたび梅酢にもどし、2・3日後また干す(赤梅酢にもどす)
再度天日干しして、今度は梅酢にもどさず、干しあげとし、乾燥した容器に移し保存
赤梅酢は調味料として利用する
干しあげた梅ぼしは梅酢にもどしてもいいですが、色と香りを楽しむなら、乾燥したままで保存がおすすめです

 できあがり


赤しそのこと
梅ぼしに赤しそを入れると香りもよく、なんといってもその着色された『紅色』は活力を連想させ、食欲をそそります。地域によっては梅ぼしに赤しそをいれずに、白漬けのまま食するところもあるようですが、その効力を考えるとやはり赤しそは欠かせないでしょう。
赤しその葉には0.5%の油分があり、その香りの成分には梅の実に含まれる酸と同様に強い制菌力があります。これだけ優れた制菌力のある梅ぼしですから、夏の食生活には欠かせない食品といえましょう。
漬け梅には『チリメンシソ』がいいという向きもありますが、そうでもありません。在来種の『カタメンシソ』でも、よく日光を受け、頃合のものであれば何の遜色もなく使えます。
梅ぼしの副産物・赤梅酢
梅ぼし作りがすむと真っ赤な赤梅酢がのこります。おぼえておいてくださいね。これは貴重な天然調味料となります。いろいろな料理の隠し味に、一度使い勝手を覚えたら、その貴重さ、鮮やかさ故にもう手ばなせません。煮物に、ドレッシングに、たいせつに使ってください。