初めてのCPA受験

(注)CPA試験が5月と11月の年2回だった頃に書かれた文章をそのまま掲載しています。

CPA試験受験者を念頭に、旅行手配の際に注意しなければならないことを簡単にまとめます。

ツアーVS.個人手配

ツアーと個人手配のメリット・デメリット

 まず、勘違いされておられる方がおられるやも知れませんので、釘を指しておきますが、グァム、ハワイなど、多くの日本人観光客が訪れる地域においては、各旅行代理店主催のパッケージツアー(以下パックツアー)が、絶対的に安くなります(大量仕入・大量生産・大量販売の法則が成り立つため)。したがって、これらの地域で受験する場合に、「安くあげるために」自分で手配するという選択はありえません。(*1)

パックツアーのメリット・デメリット
メリット=安い。手間がかからない。
デメリット=融通が効かない。(これに尽きる)
受験指導校主催のCPA受験ツアー(以下受験ツアー)のメリット・デメリット
メリット=同じCPA受験者の知り合いができる。(これに尽きると思う)
デメリット=高い。
(他のメリット・デメリットはパックツアーに準じる)
個人手配のメリット・デメリット
メリット=融通が効く。安全。
デメリット=高くつくことも多い。手間がかかる。
 

 受験ツアーの場合、講師が同行して直前まで指導を受けられたりするらしいと聞いたのですが、一度だけ私が参加したツアーは講師などいませんでしたので(Ketchikanだったもんで)、わかりません。

 なお、私が二回目以降の受験でずっと個人手配を続けたのは、自分で手配するのがもっとも確実で安全であると確信したからです。受験ツアーなどを使うのはリスキーだと判断しているからです。自分で制御することのできない他人の行動に影響を及ぼされる可能性がある要素を可能な限り排除すること、それに加え、自分の好きなホテル、好きな便、好きな座席、好きな部屋を自分で決めることが、たとえ高くついても、もっとも安心で快適であると判断しているからです。(*2)
 自分で手配している人の方が、事件事故に巻き込まれる可能性は低いです。何でもお任せで個人の責任感が薄くなりがちなツアー参加者には、自分の利益(あるいは安全や快適)を自分で守ろうという意識が少ないように思える。(私だって観光ツアーで遊びに行く時はやはり人任せメンタリティになってしまう)

 いずれにせよ、ツアーの場合は自分で手配する手間がかからないというのがメリットですので、以降の説明は、主に自分で手配する場合が対象になります。
 最近外国人の受験が可能になったメイン州などのように、観光パックツアーがあり得ないような場所で受験する場合は、自分で手配するもしくは指導校のCPA受験ツアーに頼ることになります。いいチャンスですので、自分で手配してみるのもきっと役立つ経験だと思います。同じようにハワイに遊びに行くのでもパックツアー組と自分で手配した人とでは大差がつくのと同じ理屈です。

 ハワイやグァムのように観光パックツアーがあり得る地域について場合分けして考えてみます。

A.にあってB.にないもの
添乗員(講師、スタッフ)
試験会場への送迎
直前ガイダンス
その他至れり尽せり
B.にあってC.にないもの
ホテル、航空券の手配
空港ホテル間の送迎

 あとはA.、B.、C.それぞれの場合の値段を調べた上、コストベネフィットを比較することになります。たとえばA.の付加価値にそれなりに魅力があると判断されるなら、B.、C.より値段が高くなっても正当化されるのでしょうし、A.とB.を比較してA.が割高に感じられるのでしたら、B.なりC.なりを検討すればいいわけです。
 コストとバリューは常に両面から判断しなければなりません。-)がHawaiiで受験していた頃、毎回ビジネスクラスで受験に来られていた知り合いがいました。-)の感覚としてもReasonableだと感じます。CPA試験は体調を整えることと心身のリラックスがカギなのです。

マイレージで航空券がタダ、現地の友人宅に泊まるなど、特殊要因は除く。(*1)
逆に言えば、高級ホテルのスィート、長期間連泊など、量産の効かないニーズには、ツアーは弱い。(*1)
座席指定のできない飛行機になど乗りたくない。(*2)
No smokingの部屋にしか泊まらない。(*2)
何と言い訳しようが、団体行動がキライなだけである。(*2)

自分で手配する場合のヒント

エア・ホテルの手配

 CPA試験の場合、受験会場については、おそらくほとんどの州で二週間くらい前まで判明しない場合が多い。しかし、日程は何年も先まで決まっている。したがって、まずは往復のエアを押さえればよい。
 日本人が多く受験する州に関しては、アコモデーション(宿泊)でなくエアがボトルネックになる場合が多い。99年5月などでは、各州からの州外受験が殺到したグァムにおいて、受験生が溢れた。(99年11月試験からは人数制限が加えられたが、毎回適用されているわけではないようだ)
 (例外はシカゴなど、もともとコンベンションが多く開催され、ホテルの需給関係が厳しいビジネス都市や、現地受験者が多い非観光地)
 99年11月試験でのグァムにおける州外受験の人数制限の余波で、グァムでの受験を申請したがハワイに戻されるという状況が発生したらしい。各受験指導校ならびに受験者にとっては、97年5月の「アラスカ州試験会場にケチカン追加」に匹敵する大アクシデントと言えよう。もっとも、10月初めに判明という点で対応は百倍は楽。いくらでも時間はあるし、11月はエアもアコモも5月の連休ほど厳しくないし。
 ただ、受験者数が当時とは異なる上に、お手軽グァム受験可能ということでお手軽な受験者も激増した(すべての参加者がそうであると言うつもりは決してないが、お受験ツアー組の惨状についてはいくらでも聞いている)ため、混乱が大きくなった様子である。

 もともと5月受験はGWと重なるため、99年の5月のグァム受験はかなりキビシイ状況だった。二月中に往復のエアを確保(=OKステイタス)していた私は、その様子を傍から眺めていた。(*3)
 アメリカ本土の場合も、5月受験の場合はとりあえず太平洋を渡る便を確保するのが大切である。本土にたどり着いてしまえばどうにでもなる。受験ツアーに申しこんだせいで受験できなかったかもしれなかったのは97年5月。(*4)

 一般的に言うと、関空発の便は成田発の便に比べて空いている(5月受験でも満席でなかったことがある)。CPA受験者という勢力群が存在するのは首都圏のみであり、地方空港発の便は観光客しか乗っていない。成田発でエアを確保できなければ関空など他をあたることである。受験ツアーなどでは羽田集合、伊丹に飛んで伊丹から関空まで移動、関空からグァムへ行くなどムチャクチャな行程を強いられることもあったらしい。それなら最初から羽田経由で関空発を押さえておくほうがマシである。(はっきり言うが、関空は成田などよりよほど便利で交通の便もよい)
 もちろん旅行代理店などには目的が受験であることを強調し、物見遊山の観光客より優先してもらえるよう(エラそうに)要求すること(笑)

 一方、ホテルはどうかというと、受験ツアーを使う理由として「確実にホテルやエアを確保するためにツアーにした」という言い訳を聞くが、エアはともかく、年末年始でもない限り、リゾート地のホテルがすべて満室などあり得ない。ハワイやグァムのボトルネックはエアである。ビジネス客利用がほとんど見込めない(=安いチケットばかり)グァム線などは、航空会社にとって不採算路線であり、できればやめたいのがホンネなのだ。(*5)
 先に書いたが、私は他人任せにするのが危険だから、高くつく、手間がかかるのは承知の上でリスクを避けるために自分で手配したい。

 ホテルに関しては、ホテル全体のキャパシティが大きい観光地(ワイキキ、グァム)であれば、試験会場がわかってからでも予約は十分間に合うだろう。もちろん、会場判明前に仮で押さえておくのは常套手段である(基本的にはキャンセルは無償)。もっとも、イリノイなど試験会場が最初から分かっている州では、かなり早くから予約しておかないと、受験に便利なホテルは取れない。

 エアは、最近利用の広まっているゾーンペックス運賃(JAL悟空など)を使うといいと思う。こちらは各航空会社が直接発券する航空券で、格安航空券とそうは価格の差がないが、格安航空券より使い勝手がいい。たとえばJALの場合、格安航空券では許されない座席指定ができ、マイレージも格安航空券の換算率50%に対し70%加算と若干割りがいい。(*6)
 何より大きいのは、格安航空券が各旅行代理店発券である(つまり、仮にその代理店が倒産などした場合、乗れない可能性がある)のに対し、ゾーンペックスは航空会社発券であること。もちろん、直接各航空会社の窓口で買えばその場ですぐ航空券を受け取れる。最近はチケットレスもあるが。

安いエア・ホテルの探し方

 とりあえず、誰にでもできそうな方法を。

 まずは旅行代理店各社で値段を調べてみる。といっても、どこの会社でもウェブサイトを開いているので(旅行関連はユーザーがネットの恩恵をもっとも享受できる業種の一つ)、そこも回ってみればいい。昔は格安航空券というような代物は日陰者だったのだが、今ではJTBや近ツリといった大手も堂々と販売している。とりあえず、この段階では値段の相場を知ることにする。
 (ゾーンペックスなど航空会社のチケットを買う場合は、たぶんどこで買っても同じ値段だろう。各航空会社のウェブサイトからチケットレスで買ってしまってもいいかもしれない)

 次にホテルをあたってみる。ホテルはほとんどの場合、直接予約するより代理店を通したほうが安くなる。(一定の集客を保証する代わりに安くしてもらうといった契約があるため)
 大手のホテルチェーンなどでは時々キャンペーンをしていたりすることもあるので、宿泊先候補に入っているなら、いちおうあたってみる。
 なお、海外のホテルはゴールデンウィークは値段が高くなると言うようなことはありません。当たり前のことですが、日本にしかない習慣(週間)です。そんなわけのわからない日に特別料金など設定しようものなら、世界中からクレームの嵐だ。が、もしかしたら日本の代理店は別料金になっているかもしれません。海外の代理店(orその日本子会社)もあたること。

 まだ予約には早い。今度はクレジットカード会社をあたる。CPAを受験しようというみなさん、当然カードの一枚や二枚は持っているでしょう。一枚では不安だが三枚以上はたいがいムダがある。(*7)
 カード会社も会員向けに航空券やホテルの割引料金予約枠を持っている。こちらは会員対象という限定された情報なので、一般向けよりはおいしい話が出ていることがある。たとえば、アメックスは世界最大の旅行代理店である(もっとも、対象となっているのは当然アメックス会員が泊まるにふさわしいホテルになるが)。セゾンカードは資本関係上、プリンス系とインターコンチネンタルは何かあるはず。銀行系のカードを持っている方はとりあえずあたるだけあたっておくこと(年会費を払っているのだから取り返せるところでは取り返すように)。概して信販系、流通系のクレジットカードはこの分野には弱い。アメックスの他、ダイナースもその由来から当然旅行には比較的強い。銀行系はSMBC、JCBはまずまずか。使用目的に合わせてカードも選ばなければならない。(*8)

パックツアーや格安航空券の予約は、キャンセル待ち、リクエスト(まだ確定していない)、確定OKの三段階のステータスがあり、早い時期からピーク期のエアを押さえようとしても、RQ(リクエスト)にされ、なかなかOKが出ないことも多い。(*3)
ピーク期(需要が供給を絶対に上回る時期)の座席は、実績に応じて航空会社から各旅行代理店に配分される。当然のことであるが、代理店によって得意にしている(たくさん座席を確保している)エアラインはそれぞれ異なっている。(*3)
U.S.E.N.社員の言い訳によると、「あのころは手作業でやってたから」(要するに会社としての体制がまだまだ未完成だった)で「今はぜんぜんそんなことはない」という。それはたぶん本当だとわかっているが、問題なのは「そのとき」であって「今」ではない。(*4)
もちろん、ツアーが満員であることはあるかもしれない。が、それはただ単にその旅行代理店が押さえているエアなりホテルの枠がすべて埋まったというだけのことであって、ホテル全体のキャパとは無関係である。(*5)
私はUAとJALのマイレージ。UA連合(スター・アライアンス)は世界最強だし、JALは日本最強(異業種提携先企業も多い)だから。(*6)
距離の短い国内線など、よほど出張の多い方でもない限り、一般ピープルにはマイルを貯めるという観点からは関係ない。国際線と異業種提携先を主な考慮対象にすればよい。答えはJALである。(国内線でANAによく乗る方はUAも場合によってはお勧め)(*6)
したがって、JALとJASが統合されることで、マイレージサービスが統合され、JALに乗ってNWのマイレージに貯められる、あるいはNWに乗って貯めたマイルでJALの航空券がもらえるということになるのかどうか、かなり興味を持って見守っている。(*6)
が、私は、Diners、Amex、JCB、UC、DC、SMBC、Saisonと持っていたりする。昔、クレジットカード会員勧誘のアルバイトをしたことがあって、カードの勧誘に弱い。月に90回くらいはカードを使うので、たぶん死にカードにはなっていないと思いたい。(*7)
なお、カードレスだと、アメリカにおいては相当に行動の自由を奪われることになる。(*7)
が、私は無職時代に初めてのカードを取得したので、選んでられなかった(笑)。交渉(オネガイ)しましたわ。(*8)
CPA受験ということを考えれば、とりあえずは海外旅行傷害保険が付いているカードがありがたい。飛行機に乗りまくることを考慮してマイレージ付帯もいいかもしれない。確かめたわけではないが、CPA受験者のSaison UAカード保有率はかなり高いと思う。(*8)
いくつかの大手パックツアーは、いくつかのカード会社経由で申し込むと3〜5%ほど割引になる。お手持ちのカードにそのようなサービスがないか確認してみよう。(*8)

 とりあえずこのくらいならどなたでもやってみることができると思います。ここに書いた内容が「そんなの常識」と感じられた方もおられるでしょうが(私ももっと知っていますが)、そういう方はこういうページはお読みにならなくとも、ご自分で手配できることでしょうし。

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