ドラマ「ラストプレゼント」ロケ地の旅
★ 草原&羊蹄山の見える道編 ★

      

 見つけるのは難しいと思っていたこの草原も蘭越町役場で教えてもらったおかげですぐ見つかりました。
この草原は国道から見える意外な場所にあります。周りはほとんどが山と畑のなか突然広がるこの草原に気づかないはずはないですし、ドラマを見た人なら一目でピンと来るはずです。ノーヒントでここを通ったとしても見つけることができたと思いますが、情報が無ければここに来ることもなかったはずなのでやはり情報収集は欠かせません。

草原(Wキョーコ) 草原(撮影:マケN)
セルフで撮るのが難しい距離だったので相棒が代役です。
京子の位置とアングルがなかなか決まらず、バイクとカメラの間を何度も何度も往復してフラフラになりながらようやく
この1枚を撮ったのですが、この時ばかりは『ここまでする必要があるんだろうか?』と自問自答してしまいました。(苦笑)
でもそのおかげで思い残すことなく帰って来れたのでその甲斐はきっとあったんだと思います(たぶん)。
右の写真にポインタを合わせると京子の視点になります。

草原の坂道(Wキョーコ) 草原の坂道(撮影:マケN)
このシーンは番宣用の絵葉書にも使われ地元の関係者に配られました。
各シーンともフィルムカメラとデジカメの両方で撮影しているので手間も2倍です。
ここでも何度も何度も坂道を往復して、いいかげん体力の限界が近づいてきました。
良く考えたら蘭越町役場を出てから全く水分を補給してなかった…。
右の写真にポインタを合わせると京子の視点になります。

 各現場ごとにかなりの時間を割いているので上の写真からも陽がだいぶ傾いている様子が判ると思います。草原での撮影を終えて、残るは「羊蹄山の見える道」と「比羅夫駅」の2ヶ所だけですが、「羊蹄山の見える道」の有力な手がかりはまだありません。陽が落ちるまでの時間と残る捜索範囲を考えるとなんだか気が遠くなってきました。

 場所の判っている比羅夫駅は最初に行ったニセコ町のさらに先でここからは約35kmもあります。そこまで行ってしまうともし「羊蹄山の見える道」が蘭越町のどこかにあることが判っても、明日以降のツーリング日程の都合もありもう戻って探すことはできません。ニセコ町役場でニセコ町内ではないと聞いていたので羊蹄山の反対側である可能性も残っていますが、そうなると捜索範囲が広大すぎて自力で見つけるのはかなり難しくなります。とにかく今できることは、もし比羅夫駅に行くまでの道のりの間で見つけることができなくても、少なくてもこの付近ではないという確証を得ることです。そうすれば明日以降の捜索範囲をある程度絞ることができるからです。

 蘭越駅付近まで戻ると午前中は雲に隠れて見えなかった羊蹄山がはっきりと見えてきましたが、ドラマ画面の山影に比べるとまだ遠いようです。さらに昆布駅まで戻ったところで最初の大きな選択です。このまま朝通った国道5号を戻って比羅夫駅へ向かいながら探すか、それともまだ通っていない道道343号を行くか。ドラマ画面では周りが開けた高台のように見えますが、国道沿いはそんな雰囲気ではなかった気がしたのでここは少しでも可能性の高そうな道道へ進むことにします。

 しばらく進むと周りは畑ばかりになり、視界が大きく開けて羊蹄山がその全貌を現しその形はドラマ画面に似ています。『これはひょっとしていけるかも』と期待が高まってきました。ドラマ画面からは、現場から山の麓まで遮るものがほとんどない。この道の真横に羊蹄山が見える。道が坂になっていて両側には電柱が立っていることがわかります。そして最も重要なのが頂上の冠雪です。向かって左側の斜面のほうが雪の面積が大きいので山の西側から見ている可能性が高いことがわかります。もしそうでなかったとしても地元の方なら山と雪の形からどの方角から見ているのか判るかもしれません。が、この付近は家がほとんどなく聞く相手を探すのにも苦労しました。

 自分が今走っている道道は羊蹄山へ向いているので、もしこの付近だとすれば現場はどこか横道に入ったところにあるはずです。ですが似たような横道はいくつもあってどこを曲がるかは第2の大きな選択でした。カンを頼りに曲がった先でようやく民家が見つかり写真を見せながら話を聞くと、『雪はこう(ここから見るのと同じ)だねぇ。でももう少し下(南)でないかぃ? その先まで行くと(山が)もっといびつになるわ』とのコメントをいただき捜索を再開します。

 聞いた通りに南へ向かうと、左手に見える山の形はドラマ画面とほぼ同じになり周りの景色もかなり似ているので期待は確信へと変わってきました。ふと見るとすぐ右手の畑の中に電柱の列が並んでいます。道路は見えませんでしたが何かピンと来る物がありました。しばらく走ると小さな十字路に出たのでカンを信じて右折です。一旦羊蹄山を背にしたあとすぐに道なりに右折すると、目の前にはWキョーコが歩いた坂道が続いていたのでした。 

羊蹄山を望む道1(Wキョーコ) 羊蹄山を望む道1(マケN)
左の写真にポインタを合わせると戻ってくるシーンになります。
この日は風がなくて3時間近く経っても雲がほとんど動かなかったのでしょう。(笑)

羊蹄山を望む道2(Wキョーコ) 羊蹄山を望む道2(マケN)
『ちょっと待ってよぉ!』(今日子)

 いくつもの偶然とカンのおかげで発見不可能と思っていたこの場所をとうとう見つけてしまいました。見つけた時はあまりの嬉しさにメットの中で『オリャー!オリャー!なっちここにキター!オレってすげぇよ!!!』と何度も何度も叫んじゃいました(笑)。このパターン、「THE LAST NIGHT」PVロケ地の旅で落ち葉を見つけた時にあったなぁ…。このカンの良さと問題解決力と熱い情熱を仕事で活かせたらもっといい給料もらえるんでしょうけど、自分を動かすパワーの源がなっちならではなのでそうはいきません(苦笑)。
 撮影を終える頃にはもう今にも陽が沈みそうになっていました。『やべー!これじゃ場所は判ってんのに暗くて撮れないじゃん!』と慌てて出発して、最後のロケ地「比羅夫駅」へ向かいます。

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