CPA試験概略 試験形式

 2004年には1994年以来10年ぶりの試験制度変更が予定されています。今回の変更は大規模なもので、まず現行のペーパー試験はGMATやらTOEFLと同じくコンピュータ化されます。従来は5月と11月の年二回実施でしたが、2004年4月以降、一年のうち延べ四ヶ月の中止期間を除き年四回までいつでも受験可能となります。

受験申込・出願

 受験の申込は、これまで通り各州の会計士委員会を通じて(会計士委員会の業務をNASBAが代行する場合にはNASBAを通じて)出願します。受理されるとNTS(Notice to Schedule)が発行されますので、それをもって試験機関であるPrometricに申込、予約を行います。

受験科目

 従来はほとんどの州において合格していない全ての科目に出願する必要がありましたが、2004年4月試験以降、任意の1科目以上を自由に受験可能となります。多くの州において科目合格の条件として不合格科目も50点以上の足切り点がありましたが、今回なくなりました。

試験日

 一年間を4つの期間(windowと呼びます)に分けて、各windowに一度だけ、最大で年間に4回まで受験することが可能です。但しwindowの最終1ヶ月間は準備等に充てられるため、受験はできません。つまり、1・2月、4・5月、7・8月、10・11月が受験可能な時期となります。試験結果は受験したwindowの末頃に各州の公認会計士協会から発送されます。

受験地

 試験機関であるPrometric社の拠点を中心に、全米各地のテストセンターで受験が可能です。受験者は、Prometricを通じてon-lineで試験申込予約、確認、変更、キャンセルを行うことが可能です。州外受験も従来と同様に州外受験が可能な州においては、受け入れ側の州の態勢さえ整っておれば任意の州で受験できます。

出題形式

 CBT(computer-based test)で、PCの画面上で解答していくことになります。尚、時計・電卓の持ち込みは禁じられます。(PCの画面上に経過時間は表示され、電卓もPC上のものに代替されるため)

試験内容

 試験問題はMultiple-choice(多肢選択問題)に加え、BECを除いた各科目においてはSimulation(シミュレーション)も課されます。
 各科目は、だいたい25問〜30問程度の「testlet」という一かたまりが3つとSimulationが2つ(BECを除く)から成り立ちます。BECは当面の間はSimulationを実施しません。尚、一度終了したtestletには二度と戻れません(見直しはできない)し、受験者が任意のtestletから解答することもできません。Simulationを先に解く、といったこともできません。

 客観問題の配点比率が比較的高いため、英語が苦手でも合格を狙うことは可能です。
 合格するためには、各パートで75%以上の得点率が必要となります。科目合格制度が認められており、100点満点の75点に達した科目の合格が認められます。一科目づつ個別に撃破していくことが可能です。ただし、ほとんどの州で全科目合格までの有効期限があります。
 この科目合格制度と客観問題の出題が多いことから、英語で実施され、CBTという馴染みの薄い試験形式ではありますが、対策さえ怠らなければ、超難関の日本の公認会計士資格より合格が狙いやすいと言えるわけです。(科目合格制は日本の公認会計士試験においても導入の見込みです)
 もちろん、受験者の絶対多数は、母国語で受験しているアメリカ人の、しかも会計学を大学(ないしは大学院)で専攻し、アカウンティング・ファームで働く人たちです。会計学専攻の修士(or MBAなど)以上の学歴でないと受験できない州もあります。

試験の難易度

 また、受験するための要件が厳格かつ複雑なこと、また後で述べるように資格取得にまた手間がかかるということは忘れてはなりません。もちろん、(CPAに限りませんが)合格後は実力勝負。professionalとしてのchallengingな人生のスタートラインに立つことが許されるに過ぎません。もっとも、スタートラインに立たないことにはゲームにも参加できません。

旧試験形式

簿記監査予備知識受験者像受験手続試験科目|試験形式|難易度資格取得


  CPA試験概略

   -) | サイトマップ |