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炭鉱の街 釧路 -炭鉱の軌道と石炭列車-



目 次

 - 石炭の街、釧路
 - 釧路コールマインの坑外軌道
 - 太平洋石炭販売輸送 臨港線

石炭の街 釧路

 釧路は日本で最後に残った坑内掘り炭鉱がある街です。釧路の石炭採掘の歴史は1857年に隣接する白糠石炭岬と釧路市岩見ヶ浜での採炭開始にさかのぼり、これが道内石炭鉱業のはじまりとなりました。現在まで採掘されている春採(はるとり)坑での採炭は、1897年(明治30年)、後の太平洋炭礦の前身となる安田炭礦によって始まります。第一次大戦の復興期の生産拡大と三井財閥の資本参加、第二次大戦末期の一時休業を経て、戦後は生産再開・拡大と施設やシステムの近代化が行われますが、産業やエネルギー構造が変化し国の政策によって各地の炭鉱が閉山する中、2002年(平成14年)1月に太平洋炭礦もいったんはその採炭の歴史に幕を閉じます。しかし、閉山前年に地元釧路市の財界関係者により設立された釧路コールマインが経営を引き継ぎ、太平洋炭礦が所有する設備を使用して、2002年4月に採炭を再開しました。「ヤマ」の呼称も「釧路炭鉱」と改め、国内最後の坑内堀炭鉱として海外研修生の受け入れ、営業採炭、公害防止技術の開発や移転などを行い、地域の経済発展に貢献しています。(くしろ石炭.COMを要約)

釧路炭鉱と鉄道

 炭鉱に限らず鉱山と鉄道は深い関係にあります。そもそも、鉄道が最初に使われたのは、鉱山だったと言われています。日本にも、かつて鉱石の搬出を目的とした鉄道がたくさんありました。しかし、国内の炭鉱・鉱山の衰退や輸送手段の変化などによりどんどん廃止され、現在では、実際に鉱石などの輸送に使われている鉄道はきわめて少なくなってしまいました。

 そのような中、釧路には興味深い鉄道が2つあります。一つは、釧路コールマインの軌間610mm(2ft)の軌道、もう一つは春採駅と知人駅を結ぶ釧路石炭販売輸送の軌間1067mm(3.5ft)の鉄道です。この2つの鉄道は、もともと太平洋炭礦という大きな炭鉱において、採炭から出荷に至る輸送手段の主要な部分を担ってきました。現在では、海底での採炭から地上への輸送はベルトコンベアが行い、JRの貨物列車を使った出荷も行われていませんが、それぞれ規模を縮小しながらも運転を継続しています。短期間の滞在だったこともあり紹介できるのはほんの入り口だけですが、順に紹介したいと思います。

釧路コールマインの坑外軌道

 釧路コールマインは太平洋炭礦から経営を引き継ぎ、近代化された設備の下で今でも海底から石炭を掘り続けている。海底から石炭を運ぶ役目はベルトコンベアに譲ったものの、坑内保守のための資材運搬などに以前からの軌間610mm(2ft)の鉱山軌道が使われており、小さな電気機関車が活躍する。会社の敷地内から外に出ないため、遠くからしか見る事が出来ないのが残念だ。


△ 軌間610mmの鉱山軌道遠望 (2008.07)
 最初に撮影した写真。写真を撮れるアングルは非常に限られており、この1枚がほとんど全てである。この写真では横からの形がよく分からないが、写真の電気機関車の集電装置は機関車本体に比べて非常に高い位置にあり、はしご状の構造物で支持されている。



△ 斜坑の入り口 (2008.07)



△ 線路端に積み上げられたトロッコ (2008.07)



△ 少し角度を変えて (2008.07)
よれよれの線路が心をくすぐる。せめて動いてくれないか。



△ 夏草に埋もれるトロッコとパイプ専用車両 (2008.07)



△ 積み上げられたトロッコとパイプ専用車両 (2008.07)



△L/R  (2008.07)



△ 人車 (2008.07)



△ ほぼ正面から斜坑を遠望 (2008.07)


 

太平洋石炭販売輸送 臨港線

 太平洋石炭販売輸送は鉄道輸送や石炭販売などを行う会社である。釧路コールマインの石炭輸送を担い、選炭工場から知人貯炭場まで臨港線を運営する。


△ 春採で停車中の石炭列車 (2008.07)
 石炭列車は両側に機関車を連結したプッシュ・プルで運行されている。



△ 石炭列車の知人側の先頭に立つDE601 (2008.07)



△ セキ6000:2両1ユニットの石炭積載専用貨車 (2008.07)



△ DE601の反対側に連結されたD801 (2008.07)



△ 春採駅構内に停車中のD401 (2008.07)



△ 春採駅構内のD101 (2008.07)



△ おもしろい形をした除雪用のモーターカー。旋回窓はいかにも北海道の車輌らしい (2008.07)



△ 春採の機関区側から見た石炭列車。釧路名物の霧が背景を覆っている (2008.07)