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北海道遺産の森林鉄道機関車「雨宮21号」



目 次

- 丸瀬布森林公園いこいの森の雨宮21号蒸気機関車

いこいの森と雨宮21号

 丸瀬布森林公園いこいの森(遠軽町)に、北海道遺産の雨宮21号蒸気機関車が動態保存されています。

 雨宮21号は、北見営林署の木材運搬に活躍した森林鉄道の蒸気機関車で、いこいの森に施設された軌間762mm(2.5ft)、長さ2kmの線路を走っています。1928年(昭和3年)、東京の雨宮製作所で製造された国産の森林鉄道蒸気機関車です。雨宮21号は、1928年(昭和3年)から1958年(昭和33年)まで丸瀬布町武利意森林鉄道で木材の運搬や住民の足として活躍しました。しかし、経済性と山火事防止等から輸送の足はディーゼル機関車へ、そして、トラックへと代わりました。1961年(昭和36年)には、森林鉄道そのものが廃止となり、その後、21号を除く十数両あった蒸気機関車の全てがスクラップされました。しかし、住民から一番愛着のあった雨宮製の21号のみが、町民の保存運動によって林鉄資料として残されました。

 そして、雨宮21号1976年(昭和51年)に北見営林局丸瀬布営林署により丸瀬布町に譲渡され、1979年(昭和54年)に、林鉄関係者や町民の強い要望によって、森林公園いこいの森に日本唯一の森林鉄道蒸気機関車の動態保存が実現しました。
(丸瀬布森林公園いこいの村案内より)

 いこいの森では、開園期間中(4月~10月)の土・日・祝日(夏休み期間は毎日)の午前10時~午後4時30分まで、30分間隔で雨宮21号を運行しています。

丸瀬布森林公園いこいの森の雨宮21号蒸気機関車

 2008年7月、丸瀬布森林公園に雨宮21号を訪ねた 。

北海道遺産 森林鉄道蒸気機関車 雨宮21号

雨宮21号
 昭和3年、雨宮製作所(東京)製、軌間762mmのC型サイドボトム・タンク式蒸気機関車。
 L=5272mm、H=3018mm、W=1950mm。運転整備重量11トン、外輪径616mm。
 燃料種類:木材・石炭。煙管:83本、径44.5mm。

 2004年(平成16年)10月、次の世代へ引き継ぎたい有形・無形の財産の中から北海道民全体の宝物として選ぶという「北海道遺産」に選定された。


△L 雨宮21号発車 (2008.07)、森林鉄道で使われていた客車・運材台車を従えて。
△R 雨宮21号は北見営林局のプレートを掲げている (2008.07)



△L 雨宮21号 (2008.07)
△R 運材台車 (2008.07)



△L 公園の蒸気列車の雰囲気も (2008.07)
△R 運材台車 1359号 (2008.07)



△ 運材台車は昭和31年夕張製作所製 (2008.07)



△L 雨宮21号の機関庫 (2008.07)
△R 機関庫を反対側から (2008.07)



△ 雨宮21号の機関庫に同居するのは、旧鶴居村営軌道の6tonディーゼル機関車(1959年(昭和34年)運輸工業製) (2008.07)



△ 丸瀬布森林公園いこいの村に保存された車両たち (2008.07)



△L 西武山口線を経由してやってきた旧井笠鉄道の客車 (2008.07)
 西武山口線からは、31形丸屋根の35,36,37,38の4両が丸瀬布に移った。この写真を撮った時点で、2両がリストアされ、35が赤い色のまま朽ちかけており、1両が台枠と台車だけの状態であった。
△R リストアされた旧井笠鉄道の客車 (2008.07)
 井笠鉄道ホハ18, 19→西武31形客車35, 36
 井笠鉄道ホハ13, 14→西武31形客車37, 38 (Wikipedia「西武山口線」)
ということであるが、残念ながらリストアされた車両の番号がわからない。



△L 35の車番を持つ木造客車 (2008.07)
△R 丸瀬布森林鉄道で実際に使用されていたという緩急車 (2008.07)



△L 旧西武山口線の532号蒸気機関車、ドイツ、コッペル製 (2008.07)
△R 住友金属鴻之舞鉱山で使用されていた協三工業製のディーゼル機関車 (2008.07)



△ 昼時は運転間隔が1時間となる。午後の始業前の点検 (2008.07)



△ 発車後のドレイン操作 (2008.07)
 何をやってもかわいらしいのがこの機関車の魅力。徐々に加速する雨宮21号。



△ 上り勾配の林を抜けて駅へ向かう (2008.07)
 機関車の次位に連結された石炭車は、鴻之舞鉱山で使われていた車両とのこと。



△ 武利川渓谷に架けられた鉄橋を渡る (2008.07)